境界越境の事実を確認して書面化を
マイホームを建てるには、土地選びが非常に重要。土地の成り立ちや状況を確認せずに購入し、「希望の住まいが建てられない…」、なんていうことは避けたいですよね。
和歌山県宅地建物取引業協会による「相談室」シリーズ9回目は「ライフラインの越境」について。広報啓発委員長の末吉亜矢さんが解説します。
まず、売り出している土地に、水道管や電気、ガスの配管など、他人のライフラインが通っているケースとは。「空き家や空き地を相続した親族などが売り主となる場合が挙げられます」と、答える末吉さん。「その土地についてよく分からずに、仲介する不動産業者に『土地の物件状況報告』を伝え、そのまま売買されることがあります」と、その理由を話します。
ライフラインの埋設位置に支障がなければ、配管を避けて建物を建築できます。しかし、使える敷地が限られたり、思い通りの間取りにならなかったりすることも。
「また、経年劣化による排水管の破裂や漏水事故、さらに、将来的に生じる所有者変更によるトラブルも想定されます」と、注意を促します。そのため、「購入前に、不動産業者に地中埋設物の確認をしてもらいましょう」と話します。
民法では、他人の土地にライフラインを通す場合、その土地の所有者にとって損害が最も少ない方法で配管を通すよう定められています。
「訴訟など法的手続きにより、移設や撤去を求めるのでなければ、越境の経緯や埋設状況を踏まえて、越境物の持ち主と話し合い、解決します」と、末吉さんは説明。「そして、将来的な処置に関しても、書面化して合意するのがとても重要です」とも。
しかし、当事者同士だと交渉でトラブルになる可能性もあるため、「仲介する不動産会社に対応をお願いしましょう」と、末吉さんはアドバイス。「費用面だけでなく、これからご近所になる相手との関係も考慮し、不動産のプロに問題解決を図ってもらうといいですね」と話していました。

末吉亜矢さん
不動産に関する相談は宅建協会まで。
| 問い合わせ | 073(472)4600 (祝日除く月~金曜の午後1時~4時半) |
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