被災地での体験、経験を生かして⑲

和歌山地方気象台予報官・八塚仁さん

西日本豪雨後、気象予報で倉敷市の防災支援

二次災害の防止と復旧活動の安全のため被災地の気象状況をピンポイントで監視

八塚仁さん。今年4月に和歌山地方気象台に赴任。和歌山に来て感じたのは、「風が強い!」と

さまざまなデータを見ながら、倉敷市の気象状況を監視して、災害対策本部会議などで、翌日の天候や留意点を解説

3日間で11府県に大雨特別警報が出された西日本豪雨(平成30年7月豪雨)。気象庁は、大規模な災害が発生した場合に、都道府県や市町村の災害対策本部などに「気象庁防災対応支援チーム(JETT)」を派遣する制度を今年5月に創設。和歌山地方気象台の予報官・八塚仁さんは、西日本豪雨で被害の大きかった岡山県倉敷市で、防災対応の支援に当たりました。

「私が現地に滞在したのは、7月10日~17日の8日間。雷雲が倉敷市に接近するかなど気象状況を監視して、関係者らに留意点を伝えたのですが、ついつい専門用語を使ってしまって…。そこは反省点ですね」と。

浸水や土砂崩れなどが起こったあとの土地で、再び大雨が降ると二次災害の恐れもあり、より正確な“予報”が求められる中、滞在期間中は幸いにも雨に見舞われることはありませんでしたが、「ちょうど梅雨が明けて気温が上昇した時期で、被災された方や災害ボランティアの方々の熱中症が心配でした」と話します。

倉敷市で、被災現場に足を運ぶ機会はなかったそうですが、「梅雨前線がもう少し南に下がっていれば、和歌山でも同じような大雨となり大きな被害が起こる恐れがありました。今後のためにも“現場”を見ておきたかったのですが…。いつかボランティアに参加しようと思っています」と。

和歌山県は台風の上陸数が、鹿児島県、高知県に次いで3番目に多い県です。また、面積の8割が山地で、山崩れやがけ崩れが発生しやすい地形。さらには大地震や津波も危惧されます。

「常に最新の情報を入手して早め早めに備えてください。“自分だけは安全”とは決して思わないこと。“避難して何もなければOK”という考えで、危険が及ぶ前、そして明るいうちに避難を」と呼びかけます。

※次回10月13日号掲載

 

予報官・八塚仁さんが伝えたい災害時の備え

◆常に最新の情報を入手して、早めに対策を
◆夜の暗い時間帯に避難するのは危険を伴います。避難は明るいうちに
◆自分だけは安全と思わないで

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