高齢の親の運転が心配! 車がないと不便だし… 安全運転のサポート

高齢ドライバーの交通事故が社会問題になっています。親が高齢になると運転が心配だけど、車がないと不便なのも事実。和歌山県内では昨年、運転免許を自主返納した人が最多に。そんな中、自動車メーカーが一定の運転支援機能を備えた「安全運転サポート車(サポカー)」を続々と発表し、普及が進んでいます。

運転が不安になったことは?

□動きが鈍くなった
□運転中ヒヤッとした
□物忘れが多くなった
□周囲が見えにくくなった

心配する家族と本人をサポート

全国統一専用相談ダイヤル ♯8080(ハレバレ)
受け付け 午前9時~午後4時(土・日曜、祝日除く)

70歳からの免許制度

更新時の誕生日に72歳以上になる人は、有効期間が一律3年になります。手続きも変わり、70歳以上の人には更新前に「高齢者講習通知書」が届きます。期間内に教習所で予約・受講し、終了証明書をもらった後、更新手続きを行います。75歳以上は高齢者講習の他、期間内に教習所で運転に必要な判断力・記憶力を検査する「認知機能検査」を受けます

安全不確認や不注視による事故 AEBSなどの技術革新、搭載車が普及

私たちの生活に欠かせない自動車。年齢を重ねると、運動能力や判断力、記憶力の衰えで操作が遅れ、事故につながることも…。高齢になった親が「まだまだ大丈夫」「車の運転には自信がある」と言い張っても、家族としては心配です。

和歌山県警察本部交通企画課によると、昨年の全事故に占める65歳以上のドライバーの割合は約32%(前年30%)で、原因は安全不確認や不注視が半数以上。高齢者による事故が社会的に関心を集めたこともあり、昨年1年間で運転免許証を自主返納した人の数は1998年の制度導入以降で最多でした。

でも、都心に比べて公共交通のインフラ整備が十分でない和歌山県などの地方は、自動車の運転を控えようと思っても、それに代わる交通手段がない場合があり、高齢になっても運転をせざるを得ない現状もあります。

日本では70歳以上は免許更新前に「高齢者講習」、75歳以上はさらに「認知機能検査」の受講が必須。昨年からは、運転を不安に感じる人や家族向けの全国統一専用相談ダイヤルも開設され、相談が受け付けられています。

また来年秋から、大型バスやトラックに義務付けられていた衝突被害軽減ブレーキ(AEBS)の標準搭載を、普通車や軽・小型商用車の新車まで拡大される予定。他にも、高齢者の交通事故防止策として、AEBSなどの安全装置を搭載した「安全運転サポート車(サポカー)」に限定した免許の導入も検討されているとも。基準づくりが進んでいます。

県警本部運転免許課に免許の返納制度、運転経歴証明書について、また軽自動車を主軸に販売するカーディーラー2社にサポカーの最新技術を聞きました。何よりも事故を未然に防ぐことが大切。4月15日(水)まで春の全国交通安全運動も実施されています。家族みんなで考え、話し合うきっかけにしてくださいね。

 今だからこそ 運転について考えよう!

県内の推移

免許の自主返納制度は1998年、運転経歴証明書は2002年から導入。昨年1年間の運転免許の自主返納は4459人で前年比1255人増加。また、運転経歴証明書の発行も3664件と同1004人増加。各制度が始まって以降、最多となりました。

自主返納の手続き

自主返納は、有効期間の末日までに、交通センターや各警察署に申請します。受け付けは月曜~金曜(祝日除く)ですが、昨年9月からは交通センターに限り、事前予約すれば、日曜も可能に。有効期間を過ぎると失効になります。自主返納をした時点で自動車などを運転することはできません。

運転経歴証明書

自主返納や2016年4月1日以降、更新を受けずに失効した人(5年以内)は、運転経歴証明書の交付が受けられます。2012年4月1日以降に交付されたものは、運転免許証に替わる公的な顔写真付き本人確認書類として利用可能。交通センターや各警察署で申請。

事故を未然に防ぐために技術が進化 今どき!サポカー新機能、2社の注目の車種を紹介
65歳以上、サポカー補助金も(対象車外あり、予算に限りあり)

ハスラー

今年2月にフルモデルチェンジ。夜間の歩行者や後退時など、衝突被害を軽減するブレーキなどが標準装備。
ペダルの踏み間違いによる急発進・加速による衝突を回避する誤発進抑制をはじめ、見えない場所を映し出す全方向モニターで見通しの悪い場所などで人が近づいてくると知らせたり、最高速度や一時停止などの標識をメーターに表示したりする機能などが搭載。ターボ車には、車間距離を保ちながら自動的に加速・減速・停止をコントロールする追従機能が初採用されています。

Tanto(タント)

4代目として昨年7月に刷新。ペダルを踏み間違えたときに衝突回避するための誤発進抑制とブレーキ制御、走行時に車線をはみ出しそうになると自動でハンドルを戻す機能などが標準装備。カスタムグレードには、夜間、ハイビームで走行中に対向車を検知すると、複数のLED光源を自動で部分的にロービームに切り替える機能を採用。軽自動車では初めて、駐車時にカメラで駐車枠の白線を検知し、音声とモニターガイドに加え、ハンドル操作をサポートする機能が搭載されています。

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