和歌山県内に暮らす外国人に聞いてみた
そうなの!世界のお正月

リビング和歌山2021年末年始「和歌山県内に暮らす外国人に聞いてみた そうなの!世界のお正月」

 日本ではお正月に、おせち料理を食べるなどの風習があります。海外はどうなのでしょうか? そこで、和歌山県内に暮らす外国人に突撃インタビュー。紙上で世界を巡り、楽しんで!

世界の正月を知って、楽しもう!
県内在住の6カ国の風習を紹介

日本のお正月は、玄関先にしめ縄や門松を飾り、初詣でに行き、おせち料理を食べるなどの習わしがあります。子どもにとっては、お年玉をもらうのも楽しみの一つですよね。

海外ではお正月をどう祝い、過ごすのでしょうか。和歌山県国際交流センター(和歌山市手平)に尋ねると、「もちろん、国によって文化や風習が異なります。日本で当たり前と思っていることが、海外ではそうでないことも。時には驚くようなこともあります。逆に、日本に住む外国人にとっても同じこと。お互いに母国の文化の違いを知り、受け入れることが大切です」と説明します。

グローバル化が進み、言語や国籍を超えたつながりが広がる一方、新型コロナウイルス感染症の影響で、従来のように気軽に行き来ができなくなりました。

そこで、紙面を通して世界のお正月を楽しんでもらおうと、県内で暮らす6カ国7人に、母国の文化・風習についてインタビュー。記事下部では、海外とつながるきっかけづくりとして、県国際交流センターと「和歌山ASEAN情報局 わっと!」も紹介します。

和歌山県内に暮らす外国人  国籍・地域別(2021年) 在留外国人の推移 県内在住の外国人は7322人。6年前と比べると、約2割増(グラフ左)。国籍別では韓国が最多です。和歌山社会経済研究所によると、以前は中国人が多かったのものの、近年は技能実習生を中心にベトナム人が増えているとのこと(グラフ右)。2019年に外国人雇用に関する法改正があり、今後の動向が注目されています。

「ティンジャン」と呼ばれる
「水かけ祭り」が行われます

カイン・ソーさん

ミャンマー

新年の挨拶
ネッ・ティッ・マー・ピョー・シュェン・パー・セイ
(明けましておめでとうございます)

カイン・ソーさん
ものづくりの技術にあこがれ、2年前に留学生として来日。日本式の仕事のノウハウを身につけるのが目標

ミャンマー歴のお正月は、4月中旬の4日間(うるう年は5日間)で、「ティンジャン」と呼ばれています。国で最も大きな祭り「水かけ祭り」が各地で行われます。水をかけるのは、前年の悪いことを水で流して新年を迎える、という意味。町中に大きなステージがいくつも設営され、その上から道行く人に向かってホースで水がまかれます。ステージ下では歌や踊りなどもあり、とてもにぎやか。

ビクラム歴なので新年は2078年
ティカで一年の幸運を祈ります

サンジット・ クマル・ラザワさん シャルミラ・ チェトリさん 夫妻

ネパール

新年の挨拶
ナヤ・バルサコ・スバカマナ
(明けましておめでとうございます)

サンジット・クマル・ラザワさん
シャルミラ・チェトリさん 夫妻

遠距離恋愛を経て3年前に結婚。2人の夢はネパール料理店を開くこと

ネパールのティカ ネパールのお正月は4月11日~15日、ビクラム歴(紀元前57年が元年)が使われ、来年は2078年を迎えます。新年の前夜は花火などでお祝いモード。翌日の朝、家族や親族と寺院を訪れ、参拝し、年長者から、一年の幸運を祈る「ティカ(赤い粉と米などを混ぜたもの)」を額につけてもらう儀式が行われます。ヤギやバッファローなど、苗字によって祝い時の風習や食べ物が異なります。

頭から尾尻まで、ブタまるごと1匹を焼いた
「レチョン」をみんなで食べます

ルー・サルバドールさん

フィリピン

新年の挨拶
ビナバティッ・コ・ポ・アン・ラハット・マリガヤ・アット・マパグパラング・バゴン・タオン・サ・インヨング・ラハット
(皆さんにとって、幸せで祝福された新年になりますように)

ルー・サルバドールさん
15年前に和歌山へ。現在、「コロッケ工房おうめ」に勤務。日本の四季を感じたり、神社巡りをするのが好き

フィリピン_パンシットやレチョン 家族や親戚だけでなく、食料調達に困っている近所の人たちが集まり、焼きそばのような麺「パンシット」や、ブタの丸焼き「レチョン」などを食べます。レチョンは、フィリピンの祝い事に欠かせない伝統料理。ブタ1匹がテーブルに置かれます。私はパリパリの皮の部分が大好き。他にも、子どもたちみんなにお菓子やおこづかいをあげる習慣もあります。

世界の魅力、見〜つけた!

春節のテーマカラー「赤」が
いろいろなところで使われます

リー・カカさん

中国

新年の挨拶
シンニェン・クヮイルー
(新年おめでとうございます)

リー・カカさん
8年前に日本に。子育てが少し落ち着いたので、和歌山県国際交流センターで日本語の勉強をしています

 中国は旧正月「春節」を祝います。家族や親戚が集まり、近況を話したり、花火をしたりして過ごします。「赤」は春節のテーマカラーで、幸運の象徴。家の飾り付けやお年玉の袋など、いろいろなところに赤が使われます。また、“福を呼ぶ”という意味で、玄関に「福」という文字を逆にした装飾を付けます。蒸気のように昇ることを願い、まんじゅう(蒸しパン)も食べます。

友達と一緒に過ごすことが
多い正月。とてもにぎやかです

テラーニョ・アレックスさん

イタリア

新年の挨拶
フェリーチェ・アンノ・ヌォーボ
(明けましておめでとう! )

テラーニョ・アレックスさん
ヘーゼルナッツの生産で有名なノビリグレ出身。家具職人として働いています。家では子ども机や棚などを手作りしています

イタリア_お正月は友達同士で楽しむことが多い イタリアでは、お正月までクリスマスの飾りを残しておく風習があります。クリスマスは家族と一緒に過ごしますが、お正月は友達同士で楽しむことが多いです。カウントダウンイベントに出掛けることもあれば、ホームパーティーを開き、お酒を飲んだり、歌を歌ったりすることも。とにかくにぎやかです。日本と同じで、1年の出来事を振り返るテレビ番組もあります。

幸せを意味する12種類の
豪華な食べ物が並びます

生駒アンナ・エヴァさん

ポーランド

新年の挨拶
ヴェソウェフ・シフィオント・イ・シチェンシリヴェゴ・ヴェゴ・ロク2022
(メリークリスマス、良いお年を)

生駒アンナ・エヴァさん
日本を知ったのは小学1年生のとき。日本文化に興味を持ち、約20年前に来日。今はALT(外国語指導助手)として英語を教えています

ポーランド_高級魚のテリーヌ、サーモンのパスタ、ポルチーニのスープ、ザワークワフトなど ポーランドではクリスマス~1月1日、学校が休みになります。なぜなら、クリスマスが日本のお正月と同じくらい大切にされているからです。12月に入ると、好きなことを少し我慢。24日、高級魚のテリーヌ、サーモンのパスタ、ポルチーニのスープ、ザワークラフトなど、幸運を表す12種類の豪華料理がテーブルに並びます。苦手な食べ物があっても、みんな全種類を食べます。

世界とつながろう !

和歌山県国際交流センター

和歌山県国際交流センター 和歌山県国際交流協会が指定管理者として運営するセンター。国際交流の拠点として、県内在住の外国人の生活相談などの支援を行っています。また、外国人講師を迎え、海外の文化を知り・楽しむイベントなども実施(現在オンライン)。図書室には7000冊を超える多言語の書籍や絵本がずらり。サークル室やフリースペースの他、キッズスペースも充実しているので子ども連れでもOKです。

住所 和歌山市手平2-1-2(和歌山ビッグ愛8階)
電話番号 073(435)5240
ホームページ https://wak-kokusai.jp/

和歌山ASEAN情報局 わっと !

“和歌山とASEAN(東南アジア諸国連合)のつながりをより身近に”という思いから、海南市の山家優一さんが、2020年10月にメディアサイト「わっと!」を開設。県内で働く・学ぶ東南アジア出身の人や、東南アジアに関わりを持つ県出身・在住の人などをインタビューし、紹介しています。

今後は、実際に会って交流できるイベントなども開かれる予定。開催の情報はホームページなどから発信されます。“この人・場所を紹介してほしい”という要望があれば、ホームページの問い合わせフォームから連絡を。

ホームページ https://wat-international.com/

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