治療の最前線! 専門医に聞くvol.10
大切な腎臓を守るためには
食事や運動など生活習慣の改善を

 

腎臓には、①血液をろ過して老廃物を取り除き、尿を作る②体内の水分やナトリウム、カリウムなどの電解質を一定に保つ③赤血球を作るホルモンや血圧を調整するホルモンを分泌したり、ビタミンDを活性化させ骨の代謝を助ける、など多くの役割があります。肝腎要(かんじんかなめ)という言葉もあるように、腎臓はまさに要となる臓器です。慢性腎臓病は、腎臓の働きが健康な人の60%以下に低下する、または、たんぱく尿が出るといった腎臓の異常が続く状態をいいます。その大部分は、初期のうちは無症状のことが多いです。

尿の減少、むくみ、だるさなどの症状が現れたときには、すでに腎臓の機能が低下している可能性があります。最近は、糖尿病や高血圧、高脂血症、肥満、喫煙など腎臓に負担をかける生活習慣から腎臓病になってしまう人が増えています。そのため、食生活では減塩と適切なエネルギー調整が望ましく、禁煙を実行し、ウオーキングなどの軽い運動をすることも大切です。食事療法、運動療法を行っても、血圧コントロールが不十分なときは、降圧剤などの薬物療法が必要になります。解熱・鎮痛作用が強力な非ステロイド系抗炎症薬を飲みすぎると、腎臓への血流を減少させて、腎障害が起こることがあるので、注意が必要です。また、脱水症の予防に、水分をこまめに取りましょう。

市町村や職場の健診で行う尿検査、血液検査によって腎機能障害を指摘された場合は、必ず早めに医療機関を受診してください。重要な臓器である腎臓を守って、健康な生活を送りましょう。(済生会和歌山病院腎センター部長・岡本昌典)

岡本昌典部長

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