おこだでませんように

20150704kids01

誰もが持っている心の中の
祈りの言葉、一番のお願い

1年生になったA君が保育所に来て、「先生、今日は学校で一回も怒られへんかったで」と言ったとか。「いつも、どれだけ怒られているの」とみんながあきれ顔でした。「ぼくは いつもおこられる。いえでも がっこうでも おこられる」で始まる『おこだでませんように』(出版=小学館、くすのきしげのり/作・石井聖岳/絵)はA君の心情を描いた絵本かもしれません。

「ぼく」は、お母さんが仕事から帰るまで妹の面倒を見ている心優しいお兄ちゃんです。でもなぜか行動が空回りし、担任の女性教師やお母さんに怒られてばかりいます。

意地悪な友達にキックとパンチをしたら、「暴力はいけません」と怒られます。「『なかまにいれてやれへん』と言われたのは僕の心がもらったパンチやで」は…、切ない心の声です。

そんな「ぼく」が七夕の日に短冊に書いたお願いは「おこだでませんように」でした。入学してから教えてもらったひらがなで書いた、一番のお願いです。

短冊を見た教師は「怒ってばっかりやったんやねえ。ほんまにええ、お願いやねえ」と泣きます。

その夜、教師から電話をもらったお母さんも「ごめんね。怒ってばっかりやったね」とぎゅうっと「ぼく」を抱きしめてくれます。

「ぼく」の心根に寄り添い、懸命に働いて二人の子どもを育てている母親の姿や、担任の言葉に自分を重ねて、大人も感動する絵本です。平成21年の小学校低学年の課題図書で、主人公の「ぼく」は小学1年生です。

最終ページに「おこられませんように」と正しく書かれた短冊があって、それを見つける喜びが絵本の楽しさです。

名前なりきよ ようこ
プロフィル絵本編集者として勤務後、渡欧。帰国後フリーに。
保育所や小学校で読み聞かせを25年以上続けている。絵本creation(編集プロダクション)代表

子育て・教育

関連キーワード

 

交通安全キャンペーン2026 入賞作品発表

交通安全キャンペーン2026 入賞作品発表

おすすめ記事

  1. リビング和歌山2026年4月4日号「今年の春は、寒暖差に負けない体づくりの新習慣! 体温調整をマスターしよう」
    気象庁によると、昨年4月の平均最高・最低気温の差は9.3度。1年で最も寒暖差が激しい春に、「毎年体…
  2. リビング和歌山2026年3月28日号「和歌山市の市立中学校 新制服今春から着用スタート!」
     和歌山市では4月から、市立中学校で共通デザインの新制服が導入されます。長年親しまれてきたつめ襟の…
  3. リビング和歌山2026年3月21日号「あっ!見~つけた!! 地元農家のポツンと直売所」
     市街地から郊外へ車を走らせると、ふと現れる野菜の直売所。新鮮な農産物が無造作に並べられ、うれしい…
  4. リビング和歌山2026年3月14日号「和歌の浦の魅力を深める体験 和歌に親しむ「言の葉ふだ」」
     風光明媚(めいび)な和歌山市和歌の浦は、いにしえの歌人から“和歌の聖地”として愛されてきた場所で…
  5. リビング和歌山2026年3月7日号「和歌山県の手仕事を訪ねて 竹と土、受け継がれる技 国内唯一、黒竹の産業を守る」
    古くから暮らしの道具や建築の材料として生かされてきた黒竹と、土の壁を仕上げる左官の技。自然素材と向…
リビングカルチャー倶楽部
夢いっぱい保育園

お知らせ

  1. 2026/4/2

    2026年4月4日号
  2. 2026/3/26

    2026年3月28日号
  3. 2026/3/19

    2026年3月21日号
  4. 2026/3/12

    2026年3月14日号
  5. 2026/3/5

    2026年3月7日号
一覧

アーカイブ一覧

ページ上部へ戻る