プロが解説! 知っておきたい土地の法規制⑨
相続登記が任意から義務に
登記の内容を今一度確認

家族で話し合って早めの相続準備を

2021年に不動産登記法が改正、2024年4月1日から相続登記の義務化が施行されます。和歌山県宅地建物取引業協会による法規制シリーズ9回目は、広報啓発委員長・武田雅博さんに改正内容や相続対策について聞きました。

まず、不動産登記とは。「法務局が保管・公開している公的書類の登記簿に、不動産やその所有者の情報を記載することです」と武田さんは解説。「不動産を相続した際、所有権の移転登記は今までは任意でした。しかし、今回の改正により義務化され、相続から3年以内に申請しないと、10万円以下の過料が科されることも」と話します。

登記の変更手続きに関しては、「ご自身で行うこともできますが、事案によっては難易度が高く、時間が掛かることもあるので、司法書士に依頼する方がいいケースも」とアドバイスします。

また、「今回の改正を機に、ご自身や家族の不動産の登記内容の確認を」と武田さん。「複数の不動産を所有している場合は、それぞれの所在や境界なども確認するといいですね」とも。「所在が不明な土地・建物や、境界が不明な土地を相続すると、売却や利活用の手続きが難航します」

ちなみに、土地・建物所有者が認知症などで判断能力が低下し、すぐに不動産を売却できないケースがあります。「その場合は、裁判所の許可を得て、成年後見制度を利用することが一般的です。しかし最近は、例えば土地・建物所有者である両親が元気なうちに、家族信託を検討するケースもあります」とのこと。

和歌山県の空き家率は、都道府県別で見ると全国2位、別荘などの2次的住宅を除くと全国1位となっています(平成30年住宅・土地統計調査)。不動産トラブルは他人事ではないかもしれませんね。「当協会では不動産の相談会を無料で行っているので、気軽に連絡を。弁護士による相談会もあります」と、武田さんは話していました。

武田雅博さん

武田雅博さん

不動産に関する相談は宅建協会まで

お問い合わせ073(472)4600(午後1時~4時半)

ハウジング

関連キーワード

 

交通安全キャンペーン2024 贈呈式

交通安全キャンペーン2024 贈呈式

おすすめ記事

  1. リビング和歌山2025年11月1日号「深まる秋 お出かけも夜長も カフェでわたし時間」
     ぐっと気温が下がり、秋が一気に深まりました。山々が色づき始め、そろそろ届く紅葉の便りにお出かけ気…
  2. リビング和歌山2025年10月25日号「話題を呼ぶNew Spot 県内初! 「ハンズ」オープン」
     10月15日、近鉄百貨店和歌山店に和歌山県初の「ハンズ」がオープン。さっそく話題を集めています。…
  3. リビング和歌山2025年10月18日号「ワークスタイル -これからの“働く”を考える- 今日も社会を動かす場所で」
     近年、警備の仕事で女性の活躍が目立つようになり、女性警備員が全体の7・3%を占めるまでに増えてい…
  4. リビング和歌山2025年10月11日号「勝手にリビングノーベル食文化賞」
     各分野で人類に対して多大な貢献をした人物に贈られる「ノーベル賞」。食欲の秋を迎えた今週は、食の道…
  5. リビング和歌山2025年10月4日号「伊太祈曽駅から四季の郷公園まで運行中 トゥクトゥクに乗ってお出かけ」
     ようやく暑さも和らぎ、出かけやすい季節になりました。伊太祈曽駅から四季の郷公園の間を“トゥクトゥ…
リビングカルチャー倶楽部
夢いっぱい保育園

お知らせ

  1. 2025/10/30

    2025年11月1日号
  2. 2025/10/23

    2025年10月25日号
  3. 2025/10/16

    2025年10月18日号
  4. 2025/10/9

    2025年10月11日号
  5. 2025/10/2

    2025年10月4日号
一覧

アーカイブ一覧

ページ上部へ戻る