口から始まる健康づくりvol.86健康寿命を延ばすカギ奥歯の重要性

できる限り天然の奥歯を維持し
失った場合は早期の治療を

私たちが毎日何気なくしている食事。それを支えているのが歯、特に奥歯です。奥歯は食べ物をすりつぶし、消化を助け、全身の健康に大きく関わっています。しかし、奥歯を失ってしまうと、しっかり食べ物を噛(か)むことができず、胃腸に負担がかかります。そのまま放置してしまうと、噛み合わせのバランスが崩れたり、顔の輪郭が変化したり、さまざまな悪影響が発生(左記参照)。こうした問題は、健康寿命を縮める要因になりかねません。

健康な歯と健康寿命には、密接な関係があることが分かっています。国立長寿医療研究センターの研究によると、残存歯数が少ない高齢者ほど、歩行速度の低下や認知機能低下、死亡リスクの増加が見られ、歯が20本未満の高齢者は、20本以上の人に比べて死亡リスクが1・5〜2倍高いというデータも。

大切なのは、天然歯を1本でも多く維持することと、歯や口腔(こうくう)の問題を放置しないこと。天然歯をできるだけ多く残すためには、毎日のセルフケアと歯科医院での定期的なチェックが不可欠です。また、万が一、奥歯を失ってしまった場合でも、「まだ前歯で噛めるから大丈夫」とそのまま放置するのは非常に危険。早めに入れ歯やインプラントなど、適切な治療をしましょう。入れ歯の咀嚼力は天然歯の2〜3割程度といわれているため、しっかりとした噛む力を維持したい場合はインプラントをおすすめします。信頼のおける歯科医院で自分に合ったケアや治療をしっかりと行い、歯と全身の健康をキープしましょう。
(川崎豪彦)

奥歯を失うことによる影響

咀嚼（そしゃく）機能の低下
奥歯は食べ物をすりつぶす役割があるため、失うとしっかり噛めなくなります。結果として、消化に悪影響が出たり、食事の満足感が下がったりします

消化に悪影響が出る
十分に咀嚼されていない食べ物は、胃や腸での消化・吸収効率が低くなり、消化不良や胃もたれの原因に

発音への影響
特に複数の奥歯を失うと、舌の位置や口の形が変わり、発音が不明瞭になることがあります

顔の輪郭の変化
頬の内側を支える力が弱くなり、顔がこけたように見えることがあります。老けた印象を与えることも

噛み合わせの悪化
歯が抜けたままにしておくと、隣接する歯や向かい側の歯が動き、全体の噛み合わせが乱れます

他の歯への負担増
残った歯に過度な負担がかかり、歯が割れたり、ぐらついたりする原因に

顎関節への影響
噛み合わせのバランスが崩れることで、顎関節症（あごの痛み、口の開閉の異常など）を引き起こすこともあります

全身の健康への影響
咀嚼能力が低下すると、栄養の偏りや消化不良につながり、生活習慣病のリスクが高まる可能性があります

店舗名	かわさきデンタルクリニック
電話番号	073-488-5489
Webサイト	https://www.kawasakidentalclinic.com/
住所	〒640-8451　和歌山市中573-19-403 ふじと台ステーションビルエスタシオン EAST 4階
営業時間（診療時間）	9：30～13：00、14：30～19：00 火曜日は9：30～15：00 金曜日・土曜日は18：00まで
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