姉妹で句集を発刊
『和歌浦を昭和をおもひ日向ぼこ』
子どもの頃の風景や家族の思い出を17音に込めて

 「念願の本ができました」と話す島本もとり(右)さんと高井さきこさん

「念願の本ができました」と話す島本もとり(右)さんと高井きさこさん

 和歌山市在住の島本もとりさん(長女)と、高井きさこさん(次女)姉妹が、4月に句集『和歌浦を昭和をおもひ日向ぼこ』を発刊しました。昭和時代、幼少期を和歌浦で過ごした2人。当時の風景や家族との思い出などを17音に詠んでいます。2人は、「句集は私たちの回顧録であり、他界した三女へのレクイエム。昭和時代、そして和歌浦に、思いをはせてもらえる一冊です」と話しています。

島本さんは、旅の記録を俳句で残そうと、2015年ごろ、俳人協会評議員を務める桑島啓司さんの俳句結社「滝山俳句会」に入門。海外旅行の句を含む約300句集まった22年に「子午線0」を発刊。一方、高井さんは、島本さんの影響もあり、18年から近所の俳句教室へ。週1回、2人で句会を開くなどして、腕を磨いてきました。

句集には約60句が掲載。「和歌祭」の神輿(みこし)下ろしの迫力を表現した「神輿下ろし権現山を震はせて」、新年の七草がゆ行事を詠んだ「若菜摘む背に風やさし和歌の浦」など、当時の日常がうかがえるような作品が並んでいます。高井さんは「短い文章なので全て17音で表すことができません。制約の中で、適切な言葉を探すのが難しいからこそ、おもしろいです」と、俳句の魅力を話します。

俳句は難しい読みや当て字が多いのが特徴。句集では、初心者でもなじみやすいようにと、句に平仮名を添え、季語の説明や作品の背景・世相なども記しています。また、デザインにもこだわり、それぞれの家紋をページ番号に取り入れたり、表紙に紀州徳川家の家紋を用いたり、目でも楽しめるよう工夫しています。

島本さんは「読んだ人が、句の背景にある情景を思い描くなど、想像力を広げてもらえればうれしいです」と話しています。A5変形判・131ページ、滝山俳句会発行、1500円。書店には並んでいないため、購入希望者は滝山俳句会へ連絡を。

 句の内容に合わせたカラーページも

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お問い合わせ滝山俳句会
073(451)6110

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