子どもを認め、 伸ばす環境をつくるのはパパ

色の好みは人それぞれ
好きを主張できる子どもに

 駅からの帰り道、下校途中の小学生に会いました。彼女の背中の濃いチョコレート色のランドセルに、デザイナーのRさんの言葉がよみがえります。「幼いときから色に敏感でした。女子のランドセルは赤と決まっていたけれど、『どうしても茶色がいい』と両親を説得してあつらえてもらったの。色へのこだわりがデザイナーとしての未来をくれたのかもしれません」

 ランドセルが赤一択だったのは私も同じ。当時は普通のこととして受け止めていたけれど、昨今の水色をはじめとするパステルカラー人気に、その自由さがやはりうらやましい。しかし、茶色?「6歳の女の子が本当に茶色を好むの?」とのささやかな疑問から、さっそく小学生の娘を持つ友人に電話をしました。「茶色はここ1、2年のトレンド。水色や薄いピンクは6年間も使うと汚れるし、飽きるのも早いから親が誘導して茶色を選ばせるの。私立みたいで上品だし、刺しゅうや2色使いなど、茶色でも女の子らしさが満載なのよ」

 ジェンダー論が熱かったころ、表紙に描かれたスカートの色を「ピンクはダメ。ネイビーか緑に変更」とクライアントからの指示が。イラストレーターに修正を依頼しつつ心の中では、「女の子はピンクが大好きなのに」とモヤモヤ。反面、同時期に担当した若い女性がターゲットの雑誌では、「ピンクを使えば売れる」という上司の言葉に、「若い女性のみんながピンクを好きなわけがない」とかみついて。

 友人のM子は娘にも、黒、白、グレー以外の色を着せたことがありませんでした。その娘さんは、高校進学を機に、自分の意思で真っ赤な洋服を着はじめたのですが、「落ち着かない」との理由で、モノトーンコーデに即行戻ったのだとか。

 ママは生涯を通じて子どもの色の好みにまで深く介入することに驚きました。あふれる色の中から子ども自身が自由に選び、好きと主張できる環境を、パパがつくって欲しいと願います。

名前なりきよ ようこ
なりっち
プロフィル絵本編集者として勤務後、渡欧。帰国後フリーに。保育所や小学校で読み聞かせを25年以上続けている。絵本creation(編集プロダクション)代表

子育て・教育

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