子育ての基本は 嘘をつかず誠実に

「いいよ〜お仕事がんばってね」と子どもたちに言ってもらえるまで謝まろう

保育園の読み聞かせ会での出来事です。その日のAさんは最悪で、「間違える、つまる、ページを飛ばす」の連続。文字が小さかったので、いつものように読み手が絵本を開きながら読み進めるのではなく、2冊用意した絵本の1冊を、手元でAさんが読み、もう1冊の絵を私が子どもたちに見せるというやり方をしました。これならAさんも大丈夫、そう思っていたのに、「あらごめんなさい」「また間違えた」とのつぶやきが漏れて、物語の世界が散々な結果に。ハンス・フィッシャーの絵をめくりながら、私が恐る恐る子どもたちの様子をうかがうと、どの子も困ったような顔をしていますが、「聞いてあげよう」という思いが伝わりました。

楽しいはずの読み聞かせを「忍耐(ガマン)」の場にしてしまった申し訳なさでいっぱいになった時、Aさんが立ち上がり「今日は間違ってしまってすみませんでした。次回はちゃんと練習して来ます」と謝ったのです。80歳近いAさんが5歳の子どもたちに深々と頭を下げて。「いいよ〜」と元気な声が返って来ました。

「パパがしょっちゅう子どもとの約束を破る」と友人のB子が激怒しています。ある休日など一万円札を布団の間から差し出して、「お前たちはこれで遊んで来て。俺は疲れているから今日は一日中眠りたい」と言ったそう。仕事の大変さを理解しているけれど、破られた約束は数知れず。「行けないのなら最初から約束しなければいい。子どもが悲しむわ。私も疲れているけど、子どもをどこかへ連れて行ってあげたいのよ」とお怒りのB子。しかし私はパパに同情的。パパだって最初から約束を破るつもりでも、嘘をつくつもりでもなかったハズ。お出かけを楽しみにしていたのはパパも同じだろうにと。

そんな時は「仕事だから仕方ないだろう!」なんて啖呵を切らず、諸悪の根源は仕事という大人の事情にあるのだからそのことを話し、「いいよ〜。パパ、お仕事がんばってね」と子どもに言ってもらえるまで誠実に謝りましょう。そして、せめてクリスマスの日は家族みんなで楽しんで。

名前なりきよ ようこ
なりっち
プロフィル絵本編集者として勤務後、渡欧。帰国後フリーに。保育所や小学校で読み聞かせを25年以上続けている。絵本creation(編集プロダクション)代表

子育て・教育

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