暮らしを守る 地震に強い家②
住まいを支える
「構造」の特徴を知ろう

木造・鉄骨造・RC造の3種類

 これからマイホームを建てるなら、自然災害を意識した家づくりを。シリーズ2回目は住宅の構造について、和歌山県建築士会の耐震診断・判定委員の田中梨穂さんが解説します。

構造とは、柱や梁(はり)、壁など建築物の骨格のこと。建物を支え、間取りにも大きく影響する主要な部分です。建物の構造には大きく分けて、木造・鉄骨造・RC造(鉄筋コンクリート造)の3つのタイプがあります。

まず、木造の特徴から。「小規模な建築物向けで、日本の住宅に多い構造です。断熱性や調湿効果があり、他の構造に比べてコストがかからないメリットも」と、田中さんは話します。「和歌山の木造は軸組み工法が主流。柱と梁の枠内に筋交いを入れ、接合金物を使って耐震性を高めます。設計の自由度が高く、リフォームがしやすいのも長所の一つ」とも。

鉄骨造は、骨組みに鉄製の柱や梁などを用います。「軽量鉄骨と重量鉄骨があり、ハウスメーカーなどで軽量鉄鋼造の住宅が見られますが、木造よりコストが高くなる傾向に」。重量鉄骨造は高層の建築にも適していて、建物内の空間を広く取ることができ、高層ビルやマンションなどに多く採用されています。

RC造はコンクリートと鉄筋を組み合わせ、より頑丈な家づくりが可能に。「耐久性はもちろん耐火性や遮音性に優れているのが特徴です。一方でコストが高く、基礎工事やコンクリートの乾燥などにより工期が長くなります」
それぞれの構造の特徴を生かした「混構造」もあります。「例えば、ビルトインガレージの部分を鉄骨造やRC造にして車を入れるスペースを確保し、住居部分を木造にしてコストコントロールをすることもできます」と解説。

耐震性について、「新築なら建築基準法の耐震基準をクリアしているので、どの構造でも問題ありません」とアドバイス。「建物だけではなく、地盤や基礎の補強対策もしておくと安心です」と最後に話していました。

1級建築士の田中梨穂さん。「希望の間取りやデザインがかなうか、予算内に収まるかを検討し、構造を選ぶといいですね」


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