紀の国わかやま文化祭 未来へつなぐ人 vol.01
職人力! 伝統工法と現在技術
高野山、中門再建時の筆頭堂宮大工

弁柄塗りの鮮やかな中門を見上げる堂宮大工の尾上さん

和歌山県で初開催となる文化の祭典「国民文化祭」「全国障害者芸術・文化祭」(愛称=紀の国わかやま文化祭2021)が、10月30日(土)~11月21日(日)、開かれます。開幕まで約4カ月、多彩なプログラムの中から、文化を継ぎ・つなぐ人を取り上げ、紹介します(掲載は、第1・3週を予定)。

2015年、高野山開創1200年記念大法会に合わせ、壇上伽藍(だんじょうがらん)の中門が172年ぶり、8代目として再建されました。焼失と再建を繰り返した中門、「今私たちは約800年前(鎌倉時代)の人が目にしたのと同じ光景を見ています」と話すのは、再建の際、筆頭の堂宮大工として指揮を取った尾上恵治さん(写真)。

現在の中門は、神仏習合の象徴であった鎌倉時代のものを再現しようと、当時の建築工法を採用。用材には、高野山の結界内で育った「高野霊木」と呼ばれる、樹齢300~400年前後のヒノキ74本が使われています。「高野山での巨木の使用実績は少なくとも大正以降ありませんが、用材として見事なものでした。伐採した木は余すことなく、適材適所に使え、お大師さまの力を感じずにはいられませんでした」と振り返ります。

工程の最難関は、門を支える長さ5㍍、重さ1トンにもなる18本の丸柱を、自然の形のままの18個の巨岩の上に立てる作業「光付け」。岩と接する底部を少しずつ削り、凹凸を合わせていくため時間がかかり、工程に数カ月遅れが。しかし、緻密な作業は功を奏し、一本一本の柱は巨岩の上で垂直・水平に自立。通常行う微調整の作業が要らなくなりました。尾上さんは「工期通り完成すると実感し、長いため息をついたのを覚えています」と言い、「再建は、高野山の堂宮大工だけでなく、育成・伐採・運搬という金剛峯寺・山林部と紀州山系の林業者の知識と技術力なくして実現できませんでした」と。尾上さんは今、地元の小学生に高野山の歴史や文化を伝えています。「地元に誇りを持ってほしいから」と笑顔を見せます。

同文化祭では、文化財の保全と活用をテーマにした講演会「和歌山の文化の今昔~熊野古道と近代建築~」で、高野山の建築物について話します。詳細は下記を。

「高野山と近代建築について(仮称)」

【日時】11月13日(土)午後1時半~3時半
【場所】高野町中央公民館(同町大字高野山)
【定員】100人 ※無料、申し込み不要
090(1585)0423小野田さん(月~金午後8時以降、土・日曜)
※詳細は、『「熊野古道」を世界遺産に登録するプロジェクト準備会』(https://www.kumako1997.com/)のHPから確認を

コーナー

関連キーワード

 

交通安全キャンペーン2026 入賞作品発表

交通安全キャンペーン2026 入賞作品発表

おすすめ記事

  1. リビング和歌山2026年3月21日号「あっ!見~つけた!! 地元農家のポツンと直売所」
     市街地から郊外へ車を走らせると、ふと現れる野菜の直売所。新鮮な農産物が無造作に並べられ、うれしい…
  2. リビング和歌山2026年3月14日号「和歌の浦の魅力を深める体験 和歌に親しむ「言の葉ふだ」」
     風光明媚(めいび)な和歌山市和歌の浦は、いにしえの歌人から“和歌の聖地”として愛されてきた場所で…
  3. リビング和歌山2026年3月7日号「和歌山県の手仕事を訪ねて 竹と土、受け継がれる技 国内唯一、黒竹の産業を守る」
    古くから暮らしの道具や建築の材料として生かされてきた黒竹と、土の壁を仕上げる左官の技。自然素材と向…
  4. リビング和歌山2026年2月28日号「和歌山一番星AWARD 認定商品決定!」
     県内で製造される優れた商品を厳選し、認定・推奨する制度「和歌山一番星アワード」が実施され、グラン…
  5. リビング和歌山2026年2月21日号「餅をまけば福も人も呼び込む! 和歌山は餅まきの聖地」
    厄よけ神事、地域のお祭り、開店祝い、周年イベントなど、さまざまな場面で縁起を担いで行われる「餅まき…
リビングカルチャー倶楽部
夢いっぱい保育園

お知らせ

  1. 2026/3/19

    2026年3月21日号
  2. 2026/3/12

    2026年3月14日号
  3. 2026/3/5

    2026年3月7日号
  4. 2026/2/26

    2026年2月28日号
  5. 2026/2/19

    2026年2月21日号
一覧

アーカイブ一覧

ページ上部へ戻る