紙を彫る?立体的なクリスマスカード 日本生まれ「彫紙アート」

紙を彫る?立体的なクリスマスカード 日本生まれ「彫紙アート」

色付きの紙を何枚も重ね、アートナイフで絵を彫り出し、立体的な作品に仕上げる「彫紙アート」が女性の心をつかんでいます。彫紙アートのクリスマスカード作りにチャレンジしてみませんか。

幾重にも重ねた紙で絵画のように表現
1つの下絵でも配色で異なる雰囲気に

好みの配色で、幾重にも重ねた紙をアートナイフで彫るように切り出し、絵画みたいに表現する「彫紙アート」。離れて見るとシルクスクリーン版画、近づくと奥行きのある作品が“おもしろい”と、ファンが増えています。

彫紙アートは、「日本彫紙アート協会(JCA)」の会長でもある林敬三さんが考案したもの。2011年に協会が設立され、現在は関東から九州まで全国各地で教室を開講。スキルを学び、協会認定の資格を取得した彫紙アーティストたちが、地域でその魅力を発信しています。

私たちがよく知っている切り絵とは異なり、豊富な色数とさまざまな種類の紙を組み合わせることで生まれる、立体感や質感が特徴。使う紙は原則5枚以上。枚数に上限はなく、100枚以上を重ねて大作を作る人も。同じ一つの絵柄でも色や紙によって全く違った雰囲気に仕上がります。

和歌山県内でも作品展やワークショップが開かれ、目にする機会が増えていますが、まだまだ知られていないのが現状。JCA認定の上級インストラクター・そいなみさんに美しく仕上げるコツなどを聞くとともに、初心者向けクリスマスカードの作り方を教えてもらいます。

カラフルな色使いを楽しんで !

そいさんに聞きました

アートナイフの持ち方と注意点

アートナイフは鉛筆のように持ちます。切る際、ナイフを傾けるのはNG(写真①)。真っすぐな層になるように、ナイフは紙に対して直角になるよう常に意識しましょう(写真②)。下敷きを挟み変えるなど、ナイフを使わないときは片手で持ったままにせず、安全のため、机に置いてキャップを付けるよう心掛けてくださいね。

美しく仕上げるコツは ?

慣れるまで、何枚も重なった紙を切るのは難しいものです。一気に切ろうとするよりも、きれいに切ることを心掛けましょう。例えば三角形の角などは紙の流れめに沿って切ると、けば立たずに切ることができます。どの方向から切り始めるかナイフを入れる前に考えましょう。全て切り終わったら、けば立ちがないかの確認を忘れずに。

バリエーションを楽しんで

小さな作品をいくつか組み合わせ、玄関やリビングに飾ると華やかに。雪だるまやポインセチアなどで季節感を取り入れて。

 22枚の紙を重ねて仕上げた作品「夏の香り」。立体感はもちろん、微妙な色の濃淡などが表現されています。

22枚の紙を重ねて仕上げた作品「夏の香り」。立体感はもちろん、微妙な色の濃淡などが表現されています。

配色のポイントを教えて

色選びは悩むところ。まずは背景(一番上にくくる紙)やポイントになる部分など、メイン色を一色決めましょう。華やかにするなら赤と黒など色のコントラストをつけて、やさしい雰囲気ならばピンクや水色など淡い色でまとめてみては。最初は頭でイメージするよりも、下絵に色を塗って確認を。紙の順番は、絵の中で手前にくるものと、奥にくるものの関係性も考えて選びましょう。

下絵はどこで手に入るの ?

彫紙アートは商標登録されているので、作品の販売や発表、下絵の購入は「日本彫紙アート協会(JCA)」の会員にだけ許可されています。体験するには、会員が開くワークショップに参加するのも一つの方法。詳しくはJCAのホームページ(https://school.choshi-art.com/)で確認を !

そいなみさん

そいなみさん
JCA認定彫紙アーティスト・上級インストラクター、彫紙アート「Chat blanc(シャ・ブラン)」主宰。和歌山市や岩出市などでワークショップを開催するなど活動しています

クリスマスカードに挑戦!

手作りのクリスマスカードは、温かみと特別感がぐっと増します。そいさんに、手順やポイントを教えてもらいます。

材料

下絵、色付きの紙6枚(パンフレットぐらいの厚み100kg)、アートナイフ、大きめのカッター、カッター用下敷き、定規、ホチキス、テープ(はがせるタイプ)、工作用ボンド

紙を6枚選びます。番号がふられた下絵(手順5)を見て、どこにどの色を使うか出来上がりを考え、重ねる順を決めます
1番(下絵の番号)の紙を上に、番号順に重ねます。でき上がりサイズ(四角の枠線)の内側をホチキスで留めます


下絵を除き、重ねた紙の上から順番に1~6の数字を記しておきます。このひと手間が大切。切り間違いを防ぎます


下絵に記した番号6~1の順に切っていきます。下敷きは、指定された番号の紙の上に敷きます。敷き間違えに注意を


線に沿ってフリーハンドで切ります。一度に切りきれなかった場合は、紙をめくって一枚ずつ切ることで、きれいに仕上がります


細かな部分や曲線は、ナイフを動かすよりも、紙を動かします。ずれないように、片方の手はしっかりと紙を押さえてください


全て切り終えたら、ホチキスで留めた反対側の四角の枠線に定規をあて、大きめのカッターで切りそろえます


工作用ボンドを、断面に点線のように付け、指でなじませます。乾いたら、上、下、ホチキス側の順に同じ作業を繰り返します

完成

初心者向け彫紙アート1日体験教室

幾重にも重ねた紙を彫る彫紙アートで、クリスマスカード作り。お好みの色を組み合わせたオリジナルのカードを大切な人にプレゼントしませんか。

 幾重にも重ねた紙を彫る彫紙アートで、クリスマスカード作り。お好みの色を組み合わせたオリジナルのカードを大切な人にプレゼントしませんか。

講師 そいなみさん
日時 12月15日(土)午後1時~3時
場所 リビングカルチャー倶楽部 フォルテ教室(和歌山市本町)
定員 6人(先着順)
最少開講人数 3人
受講料 1080円
持ち物 必要に応じて手元用メガネ
※制作に必要なアートナイフや定規などは貸し出し
材料費 800円(紙や工作用ボンドなど)
対象 中学生~大人
締め切り 12月10日(月)
申し込み
問い合わせ
073(421)4411リビングカルチャー倶楽部フォルテ教室
(午前9時半~午後6時半 ※日曜、祝日除く)

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