2026年 幸運をつかみ
午く良い年に

リビング和歌山2025年年末年始号「2026年 幸運をつかみ 午く良い年に」

 2026年の干支(えと)「午」。力強く駆け抜けるその姿は、未来への希望を象徴する縁起の良い存在とされてきました。年末年始号は、和歌山県内で競馬の引退馬と触れ合える牧場をはじめ、馬にまつわる話題を紹介します。皆さんにとって、福多き一年に!

引退馬たちのセカンドライフ
人も馬もプラスになる環境を

華々しく競馬デビューし、数々のレースで活躍した競走馬たち。引退後の馬を受け入れ、自然豊かな環境で穏やかなセカンドライフを送らせようとする活動が、全国各地で広がっています。

上富田インターチェンジから車で約30分、田辺市中辺路町にある牧場「トイトイファーム」では、JRA(中央競馬)で活躍したサラブレッドの「コスモラヴモア(通称ラヴ)」と、佐賀競馬で頭角を表した「シルバーゲイル(同ゲール)」が、ヤギやポニー、道産子などとともに生活。山々に囲まれた空の下、草を食んだり、訪れた人と触れ合ったりしながら、新たな馬生を歩んでいます。

森田さんの姿を見ると近寄り、甘えるゲール

ラヴとゲールが牧場に来たのは2019年。「競走馬の調教師をしている知人から、引退馬に関する話を聞き、迎え入れました。少しでも馬の役に立てれば」と話すのは、牧場長の森田竜一さん(写真)。今や森田さんの姿を見ると、近寄って尻尾を振るなどのしぐさを見せる2頭ですが、当初は警戒して近寄ることさえ難しかったそう。「話しかけるなど、コミュニケーションを重ね、少しずつ信頼関係を築いていきました」と振り返ります。

森田さんは約20年前、大阪市内から白浜町に移住。本業はカイロプラクターですが、かつて動物園で飼育に携わっていたことから、ヤギやポニー、ネコなどを知人から譲り受けることも。動物が増えたのを機に、広い敷地を求めて2016年に中辺路町へ引っ越し、それがトイトイファームの始まりとなりました。

同牧場は基本、馬具などを装着せずに放牧。馬たちはマイペースにのんびりと過ごしており、その姿を見たり、体をなでたりするのを楽しみに訪れる人が増えています。
開園から10年の節目を迎える2026年。設備や人員を整え、他の引退馬を迎える準備なども進めていく予定です。森田さんは、「馬を通じて多くの人と出会いました。さまざまな人のサポートで今があります。だからこそ、馬にも人にもプラスになるような環境をつくっていきたいです」と夢を膨らませています。

シルバーゲイル

シルバーゲイル
JRAでは勝てなかったけど、地方の高知競馬と佐賀競馬に所属して15勝もしたんだ。牧場ではポニーの「グリーン」と仲良しです

ビルノライブリー

ビルノライブリー
競走馬としての経歴が不明で、年齢は推定25歳。おとなしくって最近まで神社の祭事で神馬(しんめ)として活躍していたんだよ

コスモラヴモア

コスモラヴモア
JRAで3勝した後、地方の名古屋競馬に移籍して走りました。「真面目で理解力あるね」って、みんなに褒められています

牧場を訪れた人になでられ穏やかな表情を見せるラヴ

トイトイの仲間がお出迎え!

道産子「テディ」(左)やヤギ(中)、ポニー「グリーン」(右)など、他の動物たちとも触れ合えます。

引退馬牧場
トイトイファーム

問い合わせ 090(9987)0207
住所 田辺市中辺路町温川152
営業時間 午前9時~午後4時半
定休日 水・金曜 ※動物の体調により休む日あり
Instagram @toytoyfarm
備考

来園の際の注意事項など、詳細はホームページで
https://toytoyfarm-intaiba.hp.peraichi.com/

【入園料】
大人1000円
高校生以下500円

 和歌山市内の乗馬クラブをはじめ、県出身の騎手インタビューやイベントを紹介します。

和歌山市内で唯一の乗馬クラブ
馬とのんびり触れ合う「グリーンオアシス」

馬の魅力を間近に感じて…
乗馬で心身ともにリラックス

多くの車が行き交う県道粉河加太線沿いの「オークワ オーストリート」から北に少し車で走れば、次第に山が近くなり、先ほどまでの騒がしさがうそのような静けさ。この緑あふれる自然環境にぴったりなネーミングの乗馬クラブ「グリーンオアシス」に程なく到着します。

ここで暮らしているのは、13頭の乗馬(ポニーを含む)。厩舎の中に入ると、餌をもらえると思っているのか、首を前に差し出す人懐っこい馬ばかり。馬房(馬が個別に過ごす部屋)前のプレートには馬名と、血統を示す父と母の名前。競走馬として速く走ることが宿命づけられていましたが、引退後は勝負の世界から解き放たれ、穏やかな表情をしています。

中には馬術競技に出場する馬もいて、馬房の前には競技で好成績を収めた“勲章”が掲げられています。「グリーンオアシス」の乗馬インストラクター・藤谷喜晴さんは、これまで数々の馬術競技に出場。2024年に佐賀県で行われた第78回国民スポーツ大会(国スポ)では、「成年男子六段障害飛越」種目で優勝、今年の滋賀国スポでは同種目で2位に輝きました。

さて、一度は乗馬してみたい!という希望者は、前日までに事前予約を。「曳(ひ)き馬体験」なら、子どもと一緒に乗ることもできます。「体験乗馬」は馬に乗るだけでなく、約1時間触れ合い、馬の魅力を十分に感じ取れるのでおすすめ。馬の体調のこともあるので、乗馬ができる時間は、予約時のスタッフとの打ち合わせで決まります。

馬に乗ってみると、視線の高さにまずびっくり。そして馬の体温がじんわり伝わってきて、意思が通じていることを実感。気持ちが和らいで、心身ともに癒やされます。まだ乗馬をしたことがない人は、「午年」にぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

本格的に乗馬を楽しむ会員

ブロードスター

ブロードスター
G1を制した「ビッグアーサー」のお兄ちゃんです。僕だってJRAで3勝したし、障害レースに出たこともあるんだから

ポンドエクスプレス

ポンドエクスプレス
地方の門別競馬に所属して3勝しました。まだ3歳の若者だけどケガで引退しちゃって、和歌山で乗馬のお務めをがんばっています

 

 

 

ライディングクラブ
グリーンオアシス

問い合わせ 073(452)6691
住所 和歌山市平井507
営業時間 午前7時~午後5時(電話受け付け)
定休日 月曜
Instagram @green_oasis2000
備考

【料金】
★曳き馬体験…1回1650円
馬にまたがり、スタッフが曳いて馬場 を1~2周します
★体験乗馬…1回4400円
馬との触れ合いから始まり、20分ほ ど馬にまたがります。約1時間
★ビジターレッスン…1回1万1000円
すでに1人で乗馬ができる人向けの レッスンです

【会員料金】
入会金…一般11万円
ジュニア6万4800円
月会費…一般2万2000円
ジュニア1万5400円
騎乗料…2750円
※応用レッスンは別途

和歌山市出身の現役JRAジョッキー
長岡禎仁騎手インタビュー

G1レース「フェブラリーステークス」(2024年2月)でガイアフォースに騎乗 ※長岡騎手提供写真

2026年、さらに翔け上がれ!

 ドラマ放送の反響もあり、注目度が高まった競馬界。和歌山県出身者で唯一の現役JRAジョッキー・長岡禎仁さんに、騎手としての思いや、午(馬)年の抱負などを語ってもらいました。

2026年は大きなレースで活躍を!
和歌山の皆さんが自慢できる騎手に

競馬界をテーマにしたドラマ「ザ・ロイヤルファミリー」では、馬への熱い思いが描かれ、競馬を知らなかった視聴者にも多くの感動を与えました。

現役騎手として活躍する長岡禎仁さんは、「1頭の馬に対して、たくさんの人たちが携わっている姿が映し出されていました。実際の競馬を見る機会がありましたら、陰ながらサポートする人々の存在を気にかけてもらい、また僕たち騎手はいろんな思いを背負って馬に乗っていることを感じ取ってもらえれば」と話します。

長岡騎手

※長岡騎手提供写真

デビューして13年目になる2024年11月に通算100勝を達成しました。度重なるけが(2017年には落馬事故で腎臓破裂)もあって、順風満帆とはいえない騎手生活。「しんどくて、つらい思いもいっぱいしましたが、ケガをするたびに多くの人に支えられ、騎手を諦めずに頑張ることができました」と、大台の勝利に達した日を振り返ります。

2026年の抱負は、「もっと勝ちたいですね。注目度の高いG1(競馬の最高格付けレース)の騎乗機会を得て、和歌山の方々が誇りに思ってもらえる存在になれるよう頑張りますので、応援よろしくお願いします!」。
※2025年11月27日、電話インタビュー

長岡 禎仁 騎手
【プロフィル】
1993年、和歌山市生まれ。中学時代はソフトテニス部で活躍。京都競馬場で観戦したエリザベス女王杯(G1レース)に感銘を受け、騎手を志す。JRA競馬学校に入学し、2012年デビュー。2025年12月21日現在、通算112勝。166cm、47kg

長岡騎手の中学時代の話や、これまでの戦績については、「ロカルわかやま」で紹介しています。(HPはこちら)

和歌山市立博物館
絵画・工芸品にみる「上手い馬」

 常設展示室内のコーナー展示。馬を曳く女性を描いた歌川国貞(2代)の錦絵や、馬をモチーフにした郷土玩具(がんぐ)など、同館の収蔵品が紹介されています。

期間 2026年2月1日(日)まで
場所 和歌山市立博物館・常設展示室内
開館 午前9時~午後5時(入館4時半) 
休館 月曜(祝日の場合は翌日)、12月29日(月)~1月3日(土)
料金 一般100円、高校生以下無料 
問い合わせ 073(423)0003
和歌山市立博物館

和歌山城公園動物園
干支動物との記念撮影会

わかば(左)とよしむね(右)

 ミニホース「わかば」と「よしむね」、ポニー「ブラン」と一緒に記念撮影。どの馬と出合えるかは当日のお楽しみです。両日とも午前9時から動物園事務所で整理券を配布。詳細はインスタグラムで確認を。

日時 12月27日(土)、28日(日)午前11時~11時15分 
場所 和歌山城公園動物園・童話園ウマ園舎前 ※雨天中止 
定員 10組(1組4人まで、先着順)
料金 1組500円
問い合わせ 073(424)8635
動物園事務所(午前9時~午後5時、火曜除く)
Instagram @wakayamajo_park_zoo

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