口から始まる健康づくりvol.87
歯周病が全身に与える影響とは
健康を守るために今できること
- 2025/6/26
- みんなの健康
- 歯医者さんに聞きました!(口から始まる健康づくり)
歯周病が引き起こす全身疾患
セルフケアを徹底して予防を
歯と歯ぐきの境目にたまったプラーク(細菌のかたまり)が原因で起こる、炎症性の疾患である歯周病。初期段階では歯ぐきの腫れや出血といった軽微な症状から始まり、進行することで歯を支える骨が破壊され、最終的には歯の喪失につながります。しかし、歯周病の影響は口腔内にとどまらず、全身の健康にまで深く関わっていることが近年の研究で明らかになっています。
歯周病によって産生される毒性物質や炎症性物質は、歯ぐきの毛細血管から体内に侵入。血流にのって全身を巡ることで、さまざまな臓器や器官で慢性的な炎症や病態の悪化を引き起こす可能性があります。
例えば、脳梗塞はその代表例であり、血管内で血栓を作りやすくする歯周病の炎症反応が、脳の血流障害に関与すると考えられています。歯周病菌や炎症物質が心臓の冠動脈に影響を及ぼすことで、狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患の発症リスクを高める可能性もあります。さらに、高齢者では誤嚥(ごえん)により歯周病菌が肺に入り、誤嚥性肺炎の原因に。
また、歯周病と糖尿病の関係も非常に深いことが知られています。歯周病が悪化すると炎症性物質が多く産生され、インスリンの働きを妨げ、血糖値を上昇させやすくなります。歯周病は糖尿病のコントロールを困難にする要因となり得るのです。糖尿病患者は免疫力の低下や組織修復力の低下により、歯周病が悪化しやすくなるという相互関係も。この「負のスパイラル」に陥ると、治療の難易度が高まるため、両方を同時にケアすることが重要です。
さらに、妊娠中の女性にとっても、歯周病は注意すべき疾患。ホルモンバランスの変化によって歯ぐきが腫れやすくなり、妊娠性歯肉炎が起こりやすくなります。歯周病の進行によって炎症物質が胎盤に影響し、早産や低体重児出産のリスクを高める可能性も。
こうした全身への悪影響を防ぐためには、まず日々のセルフケアの徹底が不可欠。正しいブラッシングを習慣づけ、必要に応じてフロスや歯間ブラシを使い、プラークを確実に除去することが基本となります。歯科医院で歯磨き指導や定期的な健診を受けることも大切です。自覚症状がなくても、歯周病は静かに進行するため、専門家の目で定期的にチェックすることが予防・早期発見・進行防止につながります。
歯ぐきの健康は、全身の健康を支える入り口です。単なる「歯の病気」と軽視せず、生活習慣病や重大疾患の予防のためにも、口腔ケアを毎日の習慣に取り入れていきましょう。
(川崎豪彦)
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