物件の取引額によってそれぞれ上限あり
毎月最終週で連載中、和歌山県宅地建物取引業協会の「お悩み相談室」シリーズ。3回目は「仲介手数料」について、広報啓発副委員長の児玉真維さんに聞きました。
売り主と買い主の間に立ち、家や土地の取引をサポートする不動産屋さん。「物件の検索や案内から、契約条件の交渉、物件調査、重要事項の作成と説明、契約書の作成や締結まで、私たち宅地建物取引士の業務内容は多岐にわたります」と、児玉さんは話します。「これらの業務の対価となるのが、仲介手数料です。仲介手数料は取引成立に対する成功報酬で、契約が成立しなかった場合、支払いは発生しません」と補足します。
仲介手数料の金額は、どのように決まるのでしょうか。「宅地建物取引業法により、物件の取引額によって上限が定められています」と、児玉さん。「取引額ごとに仲介手数料を簡潔に求められる速算式がありますが、低廉物件や空き家の流通促進が差し迫った重大な課題となっていることから、国土交通省より2024年7月に『媒介報酬規制の見直し』が公布されました。物件価格が800万円以下である場合、原則による上限額を超えて、宅建業者は報酬を受領できることになりました」とも。
媒介報酬とは仲介手数料のことで、取引額が800万円以下の場合、30万円の1・1倍が仲介手数料の上限となります。「報酬額については、媒介契約の締結に際し、宅建業者はあらかじめ依頼者に対して説明し、合意する必要があります。取引額が800万円を超える場合の速算式は、取引額×3%+6万円の1・1倍です」と説明。
仲介手数料を払うタイミングですが、「契約締結時にまず半金を、所有権移転時に残りの半金を支払います」と、児玉さん。「所有権移転時に全額まとめて支払うケースもあります」とも。「売買契約後にキャンセルする場合は、仲介手数料を請求される場合もあるので、注意してくださいね」と、最後に話していました。

児玉真維さん
不動産に関する相談は宅建協会まで。
問い合わせ | 073(472)4600 (祝日除く月~金曜の午後1時~4時半) |
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