毎日生き生き健康通信vol.70
「高血圧ガイドライン」が改定 目標値は年齢関係なく130/80mmHg
- 2025/10/23
- みんなの健康
- 内科の先生に聞きました!(毎日生き生き健康通信)
継続的な家庭血圧の測定が大切
秋になり気温が下がると、血圧が上がりやすくなるので注意が必要です。血圧が高い状態が続くと、血管に負担がかかり、脳卒中や脳梗塞などのリスクが高まります。診察室で測る収縮期血圧が140ミリHg、拡張期血圧が90ミリHg、または家庭で測る血圧が135/85ミリHgを超えると、“高血圧”と定義されます。寒い時期は一時的に血圧が上がることもありますが、高い状態が続くときは、医師に相談しましょう。
今年、「高血圧ガイドライン」が6年ぶりに改定。これまで年齢別に設定されていた目標値(75歳未満は130/80ミリHg、75歳以上は140/90ミリHg)が、年齢に関係なく診察室血圧を130/80ミリHg未満、家庭血圧を125/75ミリHg未満に統一。高齢者の場合、転倒リスクなどを考慮して「血圧を下げ過ぎない方が良い」という考えもありましたが、近年の研究で“血圧が低い方がリスクが少ない”ことが報告され、このような改定に至りました。
高血圧は自覚症状がほとんどありません。中には、診察室では緊張して血圧が高く出る「白衣高血圧」の人もいます。そのため、高血圧の治療には家庭血圧の測定が重要です。継続的に測り、アプリや手帳に記録して自己管理を行いましょう。血圧を測る時は、朝と夜の1日2回の測定が理想。忙しい人は、血圧が上がりやすい朝だけでも測りましょう。血圧の変動が大きい人は、1回目は緊張して高く出ることもあるので、2回測定して平均を取るのも良いでしょう。自宅ではできるだけ毎回同じ条件、同じ時間で測定することが大切。姿勢も重要で、手首式の場合は心臓の高さに手首を合わせて測定します。
高血圧と診断されたら、生活習慣の見直しも欠かせません。1日6グラムの減塩や、週150分の有酸素運動(1日30分なら週5回)、禁煙、節酒、十分な睡眠時間の確保などを心がけましょう。生活習慣を改善するだけで血圧が下がることもあります。それでも改善が見られない場合は、医師の指示に従って薬を継続的に服用することが大切。本格的に寒くなる前に、治療中の人や、最近血圧が高いと気になっている人はかかりつけ医に相談して、目標値を見直しましょう。
(辻本直貴)
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