ZEH水準を上回る次世代型住宅
性能を極めた住まいで、快適でエコな暮らしを。住宅性能シリーズ2回目は、高い省エネ性を備えた「GX志向型住宅」がテーマです。和歌山県北部と大阪府南部で家づくりを請け負う、地域密着型工務店「スマイクル」(泉佐野市羽倉崎)の藤川陽介マネジャーに聞きました。
国は地球温暖化対策の一環として、住宅分野におけるエネルギー消費の削減を目指し、今年4月から全ての新築住宅に省エネ基準適合を義務化。さらに、省エネ住宅の取得を支援する「子育てグリーン住宅支援事業」もスタートさせました。
「今回のテーマであるGX志向型住宅は、同事業で新たに創設された、次世代型の省エネ住宅です」と、藤川さんは説明します。「GXの家を建てるには、同事業の対象となる『ZEH水準住宅』や『長期優良住宅』よりも、高い断熱性能と一次エネルギー消費量の削減率が求められます」とも。
「例えば、ZEHの家や長期優良住宅の断熱等級は5ですが、GXの家は6以上必要です」と藤川さん。また、エアコンや照明、給湯などの省エネ型設備や、再生可能エネルギーを作ってためる太陽光発電・蓄電池を導入し、省エネ基準適合住宅と比べて、「再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量を35%以上削減」かつ「再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費量を100%以上削減」できる家づくりが求められます。
一方で、気になるのが初期費用。「あくまでも一例ですが、4000万円の長期優良住宅をGXの家にするとしたら、200~300万円の追加となります」と藤川さん。「同事業を活用すれば、全ての世帯で最大160万円の補助を受けられますが、今年度の予算は7月に上限に達してしまいました」とも。
補助は終了してしまいましたが、「今後の光熱費の値上げや長く暮らすための住み心地を考慮すると、最新性能を兼ね備えた住宅として、GXの家を提案していきたい」と話す藤川さん。GXの家は設計や省エネ計算など建築上複雑な面があるため、施工経験のある業者に依頼するのがよさそうです。

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