回転寿司はもう古い?
ナレーション今昔物語
11月22日は回転寿司の日だそうだ。回転寿司を考案した創業者の誕生日にちなんで出来たとか。それを知って思い出した。前に某回転寿司チェーンのナレーションを書いたことがある。当たり前に「人気の回転寿司チェーン」と表現したら修正が入った。理由は一つ。最近の回転寿司は回っていない。レーンはあるものの、今やオーダー式だ。結局、「大人気の寿司チェーン」とした。
なるほど、10年前と今じゃ表現方法は変化している。分かりやすい例でいうと、「行列のできる大人気店」ともいうが、今じゃ「SNSで話題の」と表現することが多い。また、ジェンダーの問題から「男らしい・女らしい」はなくなり「自分らしい」に統一。同様にルッキズムの問題からふくよかな体型を「わがままボディー」と表現したりもする。また、一時よく使われていたCМ前の「この後、まさかの展開が!」という表現。これも、「まさか」が予測可能になりすぎて陳腐化しつつある。なので、過剰演出を避ける意味でも減らされる傾向だ。ナレーションも寿司同様に鮮度が落ちれば、響かなくなるということだ。
文:岡内義人
読売テレビ「土曜はダメよ」「かんさい情報ネットten.」、ABCラジオ「征平・吉弥の土曜も全開」など番組構成や、テレビCMなどを手がける
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