今年の春は、寒暖差に負けない体づくりの新習慣!
体温調整をマスターしよう

リビング和歌山2026年4月4日号「今年の春は、寒暖差に負けない体づくりの新習慣! 体温調整をマスターしよう」

気象庁によると、昨年4月の平均最高・最低気温の差は9.3度。1年で最も寒暖差が激しい春に、「毎年体調を崩す」という人も多いのでは。しかしその不調、“体温調整”を味方につければ、避けられることもあるんです! 人体の機能や働きを研究する生理学者・中田教授にインタビューし、体温と気温の関係性をひもときます。

春は、体の活動・休息スイッチ
「深部体温リズム」が乱れやすい

 人間の体は生命維持のために脳や心臓などの臓器の温度(=深部体温)を36~37度に保っています。「深部体温は一日を通して約1~1・5度変動します。昼は高体温で活動(消化)が活発に、夜は低体温で休息(睡眠)モードになるという深部体温リズムによって、活動と休息のバランスを取っています(図1参照)」と話すのは、和歌山県立医科大学医学部生理学第2講座・中田正範教授。

和歌山県立医科大学医学部 生理学第2講座
中田 正範教授
【プロフィル】2018年から現職。神経やホルモンなどの働きと生命活動維持の関係性を解明する「生理学」を研究

よって、深部体温リズムの乱れは、体調不良にもつながります。中田教授は、「特に体温と睡眠は密接な関係で、就寝前に体温が低下しなければ、脳を休める深い眠り(=ノンレム睡眠)は得られず、体は休めません。つまりお疲れモードのままなんです」とも。そして、この深部体温リズムを乱す原因の一つが、急な寒暖差です。

私たちの体は、日照や気温など、さまざまな環境に順応するため、常に体温をコントロールしています。臓器の働きに関わる自律神経の一つ、交感神経によって、体を温めるときは代謝や震えで「熱生産」を、冷やすときは血管の拡張や発汗で「熱放散」を行います(図2参照)。

中田教授は、「日照時間が長くなり、徐々に平均気温が上がる春には、体は冬ほどの熱生産は不要と判断し、交感神経の活動が低下します。しかし、急激に気温が下がると、『熱を作り出さなければ!』と、交感神経が興奮するのです」と解説。そのイレギュラーな交感神経の働きが、自律神経のバランスを崩し、低体温や胃腸障害、循環障害(めまい・頭痛)などの不調を引き起こします。

では、同じ寒暖差を体感しても、体調不良になる人と、ならない人の違いはどこにあるのか。中田教授は、大きく分けて2つあると話します。

個人差があるのはなぜ?
寒暖差に強い体はつくれるのか

 一つは、性別や遺伝によるもの。生まれつき体に備わっている基礎代謝能力や汗のかきやすさは個人差があります。また、女性は、生理周期によっても体温が変動します。

もう一つは、運動や食事など、生活習慣が大きく影響します。中田教授は、「例えば、適度な運動を習慣にしている人は、運動によって日常的に汗をかき、筋肉量も多いですよね。すると、汗腺機能が活性化しているため『熱放散』がスムーズです。さらに、最大の熱生産器官である筋肉が備わっていると『熱生産』も向上します」と。また、食事による熱生産は、1日のエネルギー消費量の約10%を占めるため、何を食べるかも重要です。

「男性より筋肉量が少ない女性や、筋肉・食事量が低下する高齢者にこそ、生活習慣は気をつけてほしい点。少し習慣を見直すだけでも、寒暖差に負けない体づくりにつながります」と中田教授はアドバイス。次項では、日常で取り入れられる寒暖差対策を紹介します。

体の内と外から体温にアプローチ

中田教授がアドバイス!
深部体温リズムを整える習慣

 中田正範教授によると、大切なのは、安定した「深部体温リズム」と、「寒い」「暑い」への対応力。毎日の暮らしに取り入れよう!

 

毎日トライ!

朝は太陽光、夜は間接照明

 起床後に太陽光を浴び、夜間は間接照明(弱い光)の中で過ごすことは、深部体温リズムを整える上でとても重要。人間の体は光によって体内時計を調整するので、このリズムが乱れると、就寝前に体温が低下しにくくなります。

トリプトファンに注目

 就寝前に体温を下げ、質の良い睡眠に欠かせないホルモン「メラトニン」の原料となる成分・トリプトファンを含有する「かつお」「高野豆腐」「大豆」「昆布」を積極的に食べましょう。

お風呂は40度以下に

 就寝前に体温を上げるのはNG。熱すぎるお湯に漬かると、体温が上がり、睡眠の妨げになります。お風呂の理想的な温度は40度以下。ぬるめのお湯で、全身浴をしましょう。

寒いとき

タンパク質を取ろう

 食後に体が温まるのは、消化によって、熱生産が行われているから。「体が冷えやすい」という人は、肉や魚、卵など、熱を産生しやすいタンパク質の摂取を!

首回りや肩を保温しよう

 脂肪を燃焼して熱を作り出す体内の組織「褐色脂肪組織」や太い血管は、首回りや肩甲骨(けんこうこつ)、脇に集中してます。寒い時期は冷やさないよう、衣類で保温をしましょう。

適度な運動の習慣化

 体温維持、基礎代謝アップには、体を動かすことは必要不可欠。「ラジオ体操をする」「階段を使う」「近所なら徒歩や自転車で移動」など、小さなことでOKなので、習慣づけることが大切です。

暑いとき

首と脇を冷やす

 今年の夏も酷暑の予感。体温を効率的に下げるなら、太い血管が通り、心臓に近い首と脇を冷やしましょう。熱中症が疑われる場合にも効果的です。

大きすぎる服はNG

 体に合わない、オーバーサイズの服は、体と服の間に空気の層ができ、“熱がこもる”状態に。通気性の良い、体にフィットするサイズを着用しましょう。

室温は28度前後に

 「暑いから」といって、夏にクーラーの設定温度を下げすぎるのは、要注意。室外との寒暖差によって、不調の原因に。室内は、28度前後に保ちましょう。

体温調整のプロ?登山女子に聞く
寒暖差に備える衣服のイロハ

 平地とは異なる気象条件の中、山頂を目指す登山では、寒暖差対策は必須。登山歴10年の谷口宏美さんに、春夏シーズンに、日常で活用できる服装選びについて聞きました。

谷口 宏美さん
アウトドアショップ「キセン ラン&トレイル」(和歌山市和田)に勤務。
同店のインスタグラム(https://www.instagram.com/kisen_run_trail)でも、谷口さんがおすすめの商品を紹介中!

汗ばむ季節におすすめの素材

 山登り初心者に伝えているのは、「登山に綿素材はNG」ということ。綿は吸水力は抜群ですが、乾きにくいというデメリットがあり、汗冷えの原因になります。汗をかきやすい季節には、速乾性・通気性の良いポリエステル素材がおすすめです。

持っておくと便利なアイテム

 コンパクトに収納でき、携帯しやすい、防風を目的とした高機能ジャケット「ウィンドシェル」は、1つあると便利。空調で室内が寒いときや、日焼け対策にさっと羽織れるのが魅力。主にアウトドア専門店やスポーツ用品店で販売されています。

酷暑を乗り切る服装

 脇部分に熱がこもらないよう、ノースリーブを着るのがオススメです。「腕を出したくない」「日焼けが気になる」という人は、アームカバーやシャツを羽織ってみてください。

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