世界中で関心が高まる
SDGs 地球の未来を守るために!
子どもと一緒に“今”行動

集まれ! 子ども隊員
「うみわかまもるプロジェクト」スタート

SDGsは「持続可能な開発目標」と訳され、地球の未来を守るために、環境や消費・生活、貧困、教育、暮らし、経済活動など17の目標を掲げ、達成するために、世界の全ての人が協力し合おうというもの。目標に対する規制などはなく、自主的な取り組みが重視されています。

達成を目指す2030年は、今の子どもたちが大人になり、世界を引っ張っていく時代。大人も子どもも一緒に、世界で起こっているさまざまな問題を知り、解決に向けてできることから行動することが求められます。

和歌山県内では、循環型社会を推進する「和歌山環境保全公社」が今年、小学生とその保護者を対象に、海洋プラスチックごみ対策を中心とした環境保全教育「うみわかまもるプロジェクト」を展開。8月から開校するオンラインシステムやSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)を使った「海を守る子ども隊員スクール」の隊員を募集しています(下記参照)。

スクールは、SDGsの14番目の目標「海の豊かさを守ろう」につながるもの。動画サイト「ユーチューブ」の公式チャンネルから配信される講座で、漂着物や廃棄物の現状、循環サイクルについて学ぶ他、個々で海や川のクリーン活動にチャレンジ。問題点や解決策を考えたり、漂着物でアート作品を作ったりして講師や隊員と情報を共有するなど、楽しめる内容になっています。

一般的に、海岸の漂着物は、山から川、そして海へとつながる水の流れや風、地形などにより流れ着くといわれています。

「うみわかまもるプロジェクト」の事務局長・臼井達也さんは「各地でクリーン活動が行われているものの、繰り返し流れ着くので、場所によっては回収が間に合わないといった問題も見られます」と現状について話します。

同プロジェクトの臼井さん(左)と平井さん

その一つがアニメ「天空の城ラピュタ」の光景に似ていると人気の「友ヶ島」。和歌山市加太の沖合に浮かぶ4つの島で、何十年も大量の漂着物問題を抱えています。同スクールの講師・平井研さんは「島の北側と南側では、北側の方が漂着物の量が多く見られます。理由は、漂着物が海水と一緒に大阪湾から太平洋へと流れる際、島に引っかかり、海岸に打ち上がるからです。これは和歌山だけのものではなく、大阪湾全域で考える必要がある問題です」と説明します。

海洋プラスチックごみなど、世界で環境問題が取り沙汰される今、子どもたちが主役となる仕組みづくりが始動します。

主催する和歌山環境保全公社・中林憲一さんは「新型コロナウイルスの感染拡大防止を考え、今回、インターネットを使ったスクールを企画しました。子どもたちが大人になったとき、その子どもへとつないでいける活動になればと思っています。子どもも大人も、みんなで地球の未来について考えましょう」と呼びかけています。

14海の豊かさを守ろう

お申し込みはこちら

期間 8月1日(土)~10月31日(土)
※成果発表会と表彰式は12月~来年1月を予定
対象 小学生とその保護者
※小学生以外は応相談
参加条件 パソコン、スマートフォンなど、インターネットにつながる環境
申し込み方法 同プロジェクトのホームページから予約
※実施期間中なら途中参加も可
HP https://umiwaka.net
主催 和歌山環境保全公社
内容 動画で、海洋プラスチックごみや海岸漂着物の現状や循環サイクルについて学習。川や海のクリーン活動を行い、課題や解決策を考える他、地元アーティストを迎えて漂着物を使ったアート作品づくりなどを体験します。また、オンラインシステムやSNSで講師や隊員と情報を共有し合います ※詳細は下記に電話で問い合わせを
お問い合わせ 073(499)4734
うみわかまもるプロジェクト事務局(わかやま環境ネットワーク内)
※月~金曜午前10時~午後5時(祝日除く)

自分の制服を後輩へバトンタッチ

着なくなった制服をリユース
必要な人の手に届ける「KAKAYA」

政府が7月17日に公表した「国民生活基礎調査」によると、2018年の子どもの貧困率(17歳以下)は13・5%。前回(15年)の13・9%から0・4ポイント改善したものの、先進国と位置づけられながら、依然として約7人に1人が貧困状態にあります。

1面の他に、動き出しているもう一つの取り組みが、持続的な生産と消費につながるSDGs12番目の目標「つくる責任 つかう責任」で、制服のリユース。子どもを持つ母親の思いから始まった店「KAKAYA」(和歌山市東高松)の活動です。

「制服は決して安いものではありません。入学時など、子育て世代はこまごまとした費用が積み重なります。だからこそ、中古の制服が集まる場所をつくり、負担を軽減させることが大切」と語る代表の木野歩美さん。昨年夏、捨てられずに家で眠っている制服を譲ってもらい、安価で提供することで、“新品を買うのは家計の負担に”“子どもが成長する度に買い直すのも”など、必要としている家庭に届ける活動をスタートさせました。

きのくに信用金庫に置かれた回収ボックス(木野さん左)

仕組みはシンプル。県内の学校や施設、企業内に回収ボックスを設置し、不要になった制服や体操服を寄付してもらいます。回収後、活動に賛同して集まった人たちがほつれなどを修繕。クリーニングをして、学校やサイズ別に分けて整理します。制服を必要とする人は同店に連絡し、安価で購入できます。

県内の高校に協力を得る中、その活動が企業の目に留まり、活動の輪が拡大。現在、制服や体操服など約500点が集まりました。木野さんは「子どもたちに活動を知ってもらい、行動に移してもらえれば。自分の後輩たちのために、手から手へ」と笑顔を見せます。

収益の一部は、国の「子供の未来応援国民運動」の基金に寄付されます。木野さんは「制服の保管場所が手狭になってきました。広い場所で店舗として使用できる場所を探しています」と協力を呼び掛け、「30年までに、高齢者や子育て中の人たちの社会参加へつないでいくのが目標です」と話しています。

回収ボックスの設置や回収協力店の情報などについては、下記を確認してください。

12つくる責任 つかう責任

場所 きのくに信用金庫 5店舗
本店(和歌山市本町)、和歌山支店(同市美園町)、堀止支店(同市堀止西)、岩出支店(岩出市高瀬)、内海支店(海南市名高)

9月30日(水)まで

場所 信濃路
本町店(和歌山市七番丁)、鳴神店(同市鳴神)、四ヶ郷店(同市新在家)、紀ノ川店(同市平井)、国体道路店(同市中島)、紀伊川辺店(同市川辺)
しなの路
JR和歌山駅前店(和歌山市美園町)、秋葉店(同市秋葉町)

9月30日(水)まで

お問い合わせ

店名 制服リユースSHOP「KAKAYA」
住所 和歌山市東高松3-7-5
営業時間 午前10時~午後6時
定休日 不定休
電話番号 080(6114)9578
email kakaya@kakaya2020.com
HP http://kakaya2020.com/
備考 ※子どもの着用以外での販売は不可、来店は事前連絡が必要

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