最近の住宅をめぐる動きを解説① 新築の着工戸数は年々減少 空き家数は激増

新築至上主義からの脱却
既存住宅市場を活性化へ

藪雅仁さん野村総合研究所が今月13日に発表した「新設住宅着工戸数の実績と予測結果」で、新設住宅着工戸数は、2017年度の95万戸から、20年度には77万戸、25年度には69万戸、30年度には60万戸になると予測。一方、空き家数・空き家率は、既存住宅の除去や、住宅用途以外への有効活用が進まなければ、13年の820万戸・13・5%から、33年に1955万戸・27・3%へと上昇すると見込んでいます。

「人口が減少し、住宅需要のベースとなる世帯数が頭打ちとなっています。また、若い世代の家に対する価値感も変わってきました。そうした中、少子高齢化の進展と人口移動の変化により空き家が増え続け、既存住宅の流通も大きな課題となっています」と、和歌山県宅地建物取引業協会広報啓発委員長の藪雅仁さんは説明します。

何世代にも渡り、100年以上同じ家に住み続ける欧米に対し、日本はこれまで新築物件に価値を見いだす“新築至上主義”で推移してきました。「しかしながら、ここにきて、『長く住み続けられる家』『環境にやさしい』がキーワードになってきています。また、東京の都心部では土地や建物の価格が高騰し、中古住宅を手に入れてリノベーションして住むという考え方も浸透してきています」と藪さん。

新築では、省エネルギー性能や耐久性能に優れた住宅などには、国から補助金が交付され、中古住宅では、その市場をさらに活性化させるために、今年4月から中古住宅のインスペクション(建物状況調査)制度が始まりました。

これから日本の住宅市場はどのような方向に進むのか、藪さんの解説のもと新築と既存住宅に分けてシリーズで展開していきます。

※次回は7月28日号掲載

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