「何度でも行きたい!」和歌山市がそんな観光地になるために

元金融アナリストのデービッド・アトキンソン氏が語る

「何度でも行きたい!」
和歌山市がそんな観光地になるために

観光資源を生かすには民間の力が必要

デービッド・アトキンソン氏

デービッド・アトキンソン氏


和歌山県にはたくさんの観光資源がありますが、十分に生かされていないと思いませんか。この状況を改善すべく、元金融アナリストで、現在は日本の国宝・重要文化財の修復を手掛ける「小西美術工藝社」の代表取締役社長であるデービッド・アトキンソン氏に話を聞きました。アトキンソン氏は和歌山市の産業戦略会議のメンバーでもあります。

「文化財に親しみを感じてもらうには、そこに人が来なければなりません。そのためには、文化財を充実した施設とし、定期的に通いたくなるスポットにする必要があります」とアトキンソン氏。

和歌山市の観光発展のためには、目玉となる“キラーコンテンツの創造”が大切だと考えるアトキンソン氏。そこで、和歌山市のシンボルである「和歌山城」を、観光の中心として発展させることを提案します。

「観光地に出かけたとき、その建物が本来の姿と異なるとがっかりしませんか?まず和歌山城が形だけでなく、“本物”になることが大切です。本物に近づくことで、歴史の本質に近づくことができ、本来の魅力が見えてくると思います」

その方法として、「天守閣を江戸期の形に復元することや城内の展示施設の充実、伊勢のおかげ横丁のような観光スペースの開設などがあります。もし城内の展示施設が充実したものになれば、徳川時代はどんな時代だったかを学ぶことができます。当時のことを詳しく知ることで、例えば、紀州東照宮に祭られている徳川家康のことも間接的に学べます。和歌山城が和歌山市の観光の中心になれば、他の文化施設との関連性が生まれ、個々で紹介するよりも、より深い意味合いで知ることができるようになります」

そして、「最初に述べたように、何度でも行きたいと思わせる仕掛けが不可欠です。親切で楽しく、そして学びになる施設になればいいと思います。ただし、文化財や施設を維持管理していかなければなりませんから、そのためには民間企業の力が必要で、ビジネスとして考えないといけません」と続けます。

自由な発想で取り組むことができる民間企業や人が、観光業を盛り上げるために動けば大きな力になると言います。では、私たち市民はどうすればいいでしょうか。「一市民として疑問に思うことや改善すべき点を声に出してください」とアトキンソン氏。気付いたことや感じたことを発信することで現状を動かすことができます。

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