和歌山県、旬の魚を訪ねて漁港巡り
美しい紅白模様で際立つ甘み
新鮮な足赤えびが人気の漁港

リビング和歌山11月30日号「和歌山県、旬の魚を訪ねて漁港巡り<br>美しい紅白模様で際立つ甘み<br>新鮮な足赤えびが人気の漁港」 今年度、全国のリビング新聞ネットワークが「さかなをたべよう!」キャンペーンを展開中。リビング和歌山は「旬のさかなを訪ねて漁港巡り」シリーズを届けています。今週号は、雑賀崎(さいかざき)漁港を訪ねました。

漁船の水槽で泳がせている足赤えび

漁船の水槽で泳がせている足赤えび

11月中旬、大きさも十分。中には20cmを超えるものも

11月中旬、大きさも十分。中には20cmを超えるものも

理事・濱田富浩さん

とれたてで、ピチピチとはねる足赤えび。雑賀崎漁港協同組合の理事・濱田富浩さん

肉厚で甘みが強い、しかも安い
愛され地域ブランドになった理由

触角や足が紅白模様で、鮮やかな赤い色が美しい「紀州足赤えび」(以下=足赤えび)。正式な名前はクマエビ、厚みがある身でぷりぷりっとした食感、甘みに加えて感じられるエビの濃厚なうまみが特徴で、和歌山で愛される食材です。年末に向け、紅白の姿から縁起物として重宝され、さらに人気が高まります。

足赤えびは、雑賀崎・和歌山北・海南市漁業協同組合の共同ブランド。中でも雑賀崎漁港が主力の水揚げ港で、10月中旬~翌5月中旬が漁期。年末に向けて漁獲量が増え、例年1~2月に最盛期を迎えます。

足赤えびがブランド化されたのは2010年、現在の3漁協と和歌山県などによる「和海地域アシアカエビ販売促進協議会」が発足しました。「そのころ、とにかく足赤えびがよくとれていました」と、当時を振り返る雑賀崎漁協の参事・岡本翔さん。「高級な車エビよりも甘みが強く、生はもちろん、焼く・揚げる・ゆでる、どう調理してもおいしいし、車エビよりも安い。そんな足赤えびの良さが、ブランド化により地域で一気に広がりました」と話します。

そして、ブランド化の数年前から、漁協は、それまで慣習的に行われていた漁船の「直接販売」に着目、漁港を挙げて売り出していこうと取り組みを始めていました。

漁師さんが船着き場で鮮魚を並べ始めると、お客さんが続々と

漁船の直接販売とともに
名を上げてきた紀州足赤えび

 漁船の「直接販売」とは、漁から戻ってきた漁師が、港で直接一般の人に魚介を販売すること。雑賀崎漁港では、近所の人が漁船で魚を買い求める様子は、昔ながらによく見られる光景でした。やがて口コミで広がり、料理人や旅館・飲食店を営む人たちが買い付けに来たり、一般客も市内外へと増えていました。

「この直接販売をもっと広めようとしたときに、何か名物があればと考えていたところに、足赤えびのブランド化が決まりました」と岡本さん。漁協は直接販売をホームページでPRしたり、出漁情報を公式X(始めた当時はツイッター)で発信したり。同時に、雑賀崎で揚がる足赤えびを売り出しました。

「漁協の船は現在43隻。多くが小型底びき船で、エビをとる船、タイやヒラメなど魚をとる船と、魚種が豊富。エビだけじゃなく、旬の魚介がさまざま。帰って来たばかりの漁船から直接買えるので、どこよりも新鮮ですよね。さっきまで海で泳いでいた魚やエビですから(笑)」と岡本さん。

今では、県外から来る人も多くなった直接販売は、和歌山市の観光資源にも。そしてやはり、今の時季は足赤えびが人気です。次項では、雑賀崎漁港の直接販売についての情報や、雑賀崎で食べられる足赤えび料理などを紹介します。

漁港で買って食べて楽しむ

足赤えびを購入する

新鮮そのもの! さかなの産直マーケット
 雑賀崎漁港

鮮魚の直接販売

雑賀崎漁港

足赤えびだけでなく、車エビやイカ、ヒラメ、タイ、ハゲなど、新鮮そのものの魚介が並びます

 漁港の船着き場、とれたばかりの魚介が荷台や棚に並べられ、値札が付けられます。漁船によって魚種がさまざまで、売り場を巡るのも楽しい。漁師さんにおすすめの魚を聞いたり、おいしい食べ方や調理の仕方などを教えてもらうことも。

【販売時間】
5月中旬~10月スポーツの日
帰港時間が異なり、午後5時~6時ごろ。漁師により午後7時~8時になることも。販売の開始は帰港次第順次
10月スポーツの日~5月中旬
午後1時ごろから魚が並び始め、欲しい魚があれば売り場で予約札をもらいます。販売の開始は午後3時、合図の汽笛が鳴ります

【休漁日】
火・土曜、祝日の前日

【駐車場】
あり

※天候により漁に出ない日もあり。当日の漁の情報は、漁協の公式Xで毎日発信。電話でも問い合わせできます

電話 073(444)2282 雑賀崎漁業協同組合
住所 和歌山市雑賀崎1162
ホームページ https://saikazaki-fisheries-cooperative-association.jimdosite.com/
公式X https://twitter.com/jf_saikazaki

自宅でいつでも! 鮮度とおいしさそのまま
 青天の霹靂(へきれき)

瞬間冷凍・紀州足赤えび

解凍すると色が 生のエビの色に戻ります。 大4尾2000円、中6尾2400円

 漁港でとれたての足赤えびを最新のラピッドフリーザーで急速に液体瞬間冷凍。解凍すれば刺し身でも食べられるほど鮮度とおいしさが保たれています。2階はカフェ・軽食の「青天の洞窟」(ページ下部参照)&BBQテラス、1階で釣った魚や直接販売で購入した魚を調理してくれる「青天産業」内の物産店「青天の霹靂」(1階)で販売。

シーズン中、漁港の直接
販売がない日は、店頭で生の紀州足赤えびも販売

電話 073(499)1135
住所 和歌山市雑賀崎1863-22
営業時間  午前11時~午後3時(土・日曜、祝日は午後4時まで) 
定休日 火曜(不定休)
駐車場 あり
ホームページ  https://seiten-saikazaki.jp/
インスタグラム @seitensaikazaki

雑賀崎で食べる足赤えび料理

 うみまち食堂うらら

本日の握り

ランチコース(2640円)は、季節の前菜、茶碗蒸し、本日の握り(写真)、鯛(たい)茶漬け、季節の自家製デザート

 漁師夫妻が営む食事どころ。ランチコースのメインとなる握りで、この時季なら足赤えびが味わえます。雑賀崎や県内で揚がる鮮度抜群の魚をネタに職人が握るお寿司は絶品。

しょう油を刷毛で塗っていただきます

 

電話 080(8882)7087
住所 和歌山市雑賀崎1673
営業時間 午前11時~午後2時、夜営業火・土曜午後5時~9時(昼・夜とも要予約) 
定休日 月・木曜
駐車場 あり
インスタグラム @umimachishokudou_ulala
備考 ※ランチは12月中旬ごろまで満席、ディナーは年内満席

カフェ 海街日記

足赤えびの和風スープカレー

サラダ、スープ、漬物が付いて1480円

 身がぷりっとしておいしい有頭の足赤えびフライがトッピング。アサリやイカなどの魚介スープをベースにうまみがにじみ出たカレーは、ちょぴりスパイシーで美味。

電話 073(488)1228
住所 和歌山市雑賀崎1860
営業時間 午前11時~午後7時(OS6時) 
定休日 月~金曜(土・日曜と祝日だけの営業)
駐車場 あり
インスタグラム @umimachinikki_saikazaki

 カフェ・軽食 青天の洞窟

足赤海老漬丼

小鉢、みそ汁、漬物付きで1500円

青天産業の瞬間液体冷凍の紀州足赤えびを使っているので、年中食べられる! 足赤えびをさっとゆがいてだしにくぐらせ、ご飯にオン! 身は、ほぼレアで味わえる丼です。

上:足赤えび塩焼き(700円)
下:好みに応じて天ぷらも(700円)

足赤えびフライ&日の本カレー

写真の足赤えびフライは超特大サイズ(1匹1200円)

 第37期竜王戦和歌山対局の勝負めしにノミネートされた「足赤えびフライ&日の本カレー」。日の本カレー単品(880円)に足赤えびフライをトッピング(Lサイズ700円から)。

電話 073(499)1135
住所 和歌山市雑賀崎1863-22
営業時間  午前11時~午後3時(土・日曜、祝日は午後4時まで) 
定休日 火曜(不定休)
駐車場 あり
ホームページ  https://seiten-saikazaki.jp/
インスタグラム @seitensaikazaki

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