治療の最前線! 専門医に聞くvol.6
顔面の痛みや痙攣に悩む人が多い
専門外来を開いて分かったこと

済生会和歌山病院で「三叉(さんさ)神経痛・片側顔面痙攣・舌咽神経痛」の専門外来を開設し、1年5カ月がたちました。三叉神経痛とは、口を動かしたときなどに顔面の一部に耐え難い激痛が起こる病気。10万人に10人ほどといわれる病気なのですが、専門外来の新規患者はすでに約160人を数えました。これだけ多くの人が顔面の痛みや痙攣に困っていること、中年以降の女性に多いこと、どの診療科に行けば良いか分からずに悩んでいる人が多いこと、などが分かりました。

片側顔面痙攣は痛みはありませんが、目や口の周りが常に痙攣し、ひどくなると顔が引きつり、人前に出るのが嫌になります。舌咽神経痛は、三叉神経痛のような激痛が喉の奥に起こります。飲食や話すだけでも激痛が起こるので、日常生活を送ることも困難です。

これら3つの病気は、頭蓋内部で脳神経が脳血管に圧迫されていることが原因で起こるので、MRI検査で圧迫を確認して診断します。圧迫が確認できれば、手術により圧迫をなくすことで完全治癒が可能。根本治療ではありませんが、薬や注射で症状を抑える方法もあり、患者さん自身が納得して治療法を選べるよう、相談して進めます。

専門外来で診察した患者さんが、すべてこの3つの病気だったわけではありません。よく似た症状の他の病気も複数あります。脳腫瘍が見つかったケースや、脳に異常がなくて精神的なストレスが原因で起こる顔面(歯)痛も。どの場合にしても、その症状を専門的に調べることが大切です。
(済生会和歌山病院副院長・脳神経外科部長小倉光博)

済生会和歌山病院 小倉光博副院長

小倉光博副院長


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