考えよう 災害時の備え 被災地での体験、経験を生かして②

写真家 照井四郎さん

各地の震災を人ごとだと思わず、危機感を

海抜を知り、まずは避難経路の確認

〈プロフィル〉写真家(日本写真家協会会員、二科会会員)、リビングカルチャー倶楽部で講師も務める

〈プロフィル〉写真家(日本写真家協会会員、二科会会員)、リビングカルチャー倶楽部で講師も務める

有田市在住の写真家・照井四郎さんは、1995年の阪神淡路大震災、2011年の東日本大震災・紀伊半島大水害、16年の熊本地震と、現地入りして被災現場を撮影。自らを〝災害カメラマン〞と呼びます。

「『なぜ、撮影するのか』と自問自答しながらシャッターを切ります。『喉元すぎれば熱さを忘れる』ということわざがありますが、人々は過ぎ去った現実を忘れていきます。それを記録として後世に残していかないといけません。私は見るも無残な惨状だけでなく、その後も、同じ場所で〝定点撮影〞を続けています」と、毎年1月17日は神戸市へ。東北にも年に数回足を運び、熊本地震が発生した今月14日は熊本県にいるそう。また、レンズを向けるだけでなく、現地の人に取材して、写真に生の声を添えるのが照井さんの撮影スタイル。その記録と記憶は書籍として残したり、写真展を開いて義援金を募ったりしています。

「阪神淡路大震災は和歌山でも揺れて、テレビで様子を知り、すぐに神戸に向かいました。東日本大震災は、秋田出身なので知らない土地ではなく、熊本は娘が嫁いだ先で…」。そんな照井さんが声高に訴えるのは次の一言。「震災を人ごとだと思っていませんか?」と。

和歌山県は、近い将来、南海トラフの巨大地震が起こると想定され、各自治体が防災対策に力を入れています。「しかし、皆さん、自分が住んでいる地域の海抜は知っています?電柱や公共施設などに掲示されていますよね。高さ何mの津波がきたら危険なのか、最低限それくらいのことは知っておかないと。それと、いざというときのために、近くの避難所にも一度くらいは実際に行って、経路を確認しておくことも必要ではないでしょうか」と喚起します。

熊本地震発生(2016年4月14日)から約1カ月後の避難所の様子

熊本地震発生(2016年4月14日)から約1カ月後の避難所の様子

写真家・照井四郎さんが伝えたい災害時の備え

  • 各地で起こる震災を人ごとだと思わない
  • 自分が住んでいる地域の海抜を知る
  • 住んでいる地域の避難場所に実際に足を運び、経路を確認しておく

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