敷地に合った対策を建築士が提案
建築のプロが指南する住宅性能シリーズ。6回目は「防犯とプライバシーが両立する家」について。デザイン、素材、機能が調和された住宅に定評のある「ユニテクノス建築設計事務所」(和歌山市紀三井寺)の代表取締役で、1級建築士の北村雅信さんに聞きました。
夫婦共働きで不在の時間が長かったり、子どもや高齢者だけの留守番が多かったりすると、住まいの安全が気になりますよね。住宅の品質を評価する国の制度「住宅性能評価」に、耐震性や断熱性などに並び、防犯性能も評価項目に挙げられていることから、防犯は家づくりで気を配りたい性能の一つといえます。
警察庁がまとめた「侵入窃盗の侵入口」(2024年)によると、窓や表出入り口からの侵入が全体の7割以上を占めます。「1階に大きな窓を配置するなら、雨戸やシャッターをつけると安心です」と、北村さんはアドバイス。「壁面の高い位置に窓(ハイサイドライト)を設けたら、侵入を防ぎながら室内に採光を取り入れられます」とも。
侵入しにくい間取りについては、「外部からの視線が遮られない造りを」と北村さん。高い塀やフェンス、密集した植木、コの字やL字型の間取りは、死角が必然的に増えます。「塀がなく、四角い形のいわゆるシンプルな設計の方が防犯対策向き。一方で、家の中や庭が外から丸見えで、住む人のプライバシーを守れない面も」とも。
防犯とプライバシーの性能を両立させた家づくりは可能でしょうか。「まずはマイホームの希望や敷地条件を建築士に伝え、予算を考えた上で、それぞれの対策をプラスしていくとよさそうです」と北村さん。「ロの字の間取りで中庭を家の中央に配置すれば、自然を家の中に取り込みながら、外からの侵入を防ぎ、周囲の視線をカットできます。愛車を保護するビルト・イン・ガレージも防犯の抑止力に」などの提案も。「費用はかかりますが、監視カメラやホームセキュリティーを検討するのも一案です」とも話していました。

家の中心に中庭を配置。死角を作らず、自然を取り込む「ロの字型の家」の一例(写真提供=ユニテクノス建築設計事務所)
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