治療の最前線! 専門医に聞くvol.33
“肥満症”治療に広がる選択肢
皮下注射薬で体重管理をサポート

 「体重÷身長の2乗」で計算されるBМIが25以上で“肥満”と定義されます。肥満は高血圧症や糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症、睡眠時無呼吸症候群、脂肪肝、腎臓病など、さまざまな健康障害を引き起こします。肥満に加えてこうした健康障害があると、“肥満症”と呼ばれ、将来的に心筋梗塞や脳卒中など命に関わる病気のリスクが高まります。肥満症を適切に治療することで、関連する健康障害の改善と予防が期待できます。

自己流の極端なダイエットはリバウンドしやすく、続かないことも―。そんなとき、当院では管理栄養士による栄養指導など、個人の生活習慣や体調に合わせた継続可能な肥満症の治療を提案しています。

これまで肥満症の治療は、食事と運動が中心でしたが、近年、体重減少効果が認められている皮下注射薬「持続性GLP1受容体作動薬」や「持続性GIP/GLP1受容体作動薬」が登場。週1回の自己注射で、胃や膵臓(すいぞう)、脳に働きかけて、食欲を抑え血糖値を下げる効果があります。

当院では、これらの自己注射治療を保険適用で受けられます(BMIが一定の基準を超え、6カ月以上の食事療法を続けても十分な効果が得られなかった場合など条件あり)。もともとは糖尿病患者に限られていましたが、現在は高血圧症など肥満に関連する病気を持つ人も対象に。嘔吐(おうと)や下痢などの胃腸障害の副作用もあるので、必ず医師の指導の下で行うことが大切です。肥満症で体重管理に悩む人は、専門家に相談を。
(済生会和歌山病院 糖尿病・代謝内科 福田咲子)

福田咲子医師

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