紀の国わかやま文化祭 未来へつなぐ人 vol.02
舞台を支え、和歌山のオペラをけん引 挑む、「稲村の火」が題材の新作オペラ

台本を見ながら確認を重ねる多田さんと宮井さん㊧

イタリア発祥、オーケストラと歌で構成し、総合芸術舞台といわれるオペラ。日本では明治時代にプロ歌劇団が設立されて各地に広がり、1960(昭和30)年代後半以降、市民参加型のオペラが次々と誕生しました。先駆者として和歌山のオペラをけん引してきたのが「和歌山市民オペラ協会」の多田佳世子会長(写真㊨)。「音大生のときに出合い、衝撃を受けました。常に“和歌山でオペラを”という気持ちがありました」と話します。1994年の設立から、出演だけでなく、演出、企画、運営と何役もこなして舞台を下支え。同協会にはプロの音楽家や舞台経験者も多く、道成寺に伝わる恋物語「清姫」や有吉佐和子が浄瑠璃用に書いた「藤戸の浦」など、県にゆかりのある伝説や人にちなんだ創作オペラの公演を軸に全国にその名を響かせてきました。

同文化祭では新作オペラ「稲村の火の物語―梧陵と海舟」を上演。演劇用に書かれた台本がお蔵入りしているのを聞きつけた多田さんが、脚本家に話を持ちかけ、オペラ用に書き換えたもので、「防災の大切さを伝えるためにも、今やらなければ」と、新作に挑む思いを伝えます。

安政南海地震(1854年)で津波から村人を救った故事「稲村の火」で知られる濱口梧陵と、幕末の日本を語る上で欠かせない勝海舟の交流を描いた内容。ピアノ演奏を担う宮井愛子(写真㊧)さんは「梧陵の心の葛藤に注目を」、多田さんは「今までにないオペラにしたいです」。合同練習がいよいよ始まります。

「稲村の火の物語―梧陵と海舟」

【日時】11月14日(日)午後2時~4時半
【場所】和歌山城ホール(和歌山市七番丁)
【料金】指定席5000円、自由席4000円
073(446)0101
和歌山市民オペラ
※詳細は、「紀の国わかやま文化祭2021(https://kinokuni-bunkasai2021.jp/event/a069/)」のHPから確認を

コーナー

関連キーワード

 

交通安全キャンペーン2024 贈呈式

交通安全キャンペーン2024 贈呈式

おすすめ記事

  1. リビング和歌山2025年9月27日号「“無理をしない”を合言葉に 仕事も家庭も全力投球」
     9月25日は「主婦休みの日」。家事や仕事に頑張る皆さんに“自分をねぎらってほしい”という思いから…
  2. リビング和歌山2025年9月20日号「あなたのアイドルを探せ!! 【推し活】アニマル総選挙!」
     ジャイアントパンダの帰国から3カ月。新たな“推し”を探すべく「アニマル総選挙!」を開催します。ア…
  3. リビング和歌山2025年9月13日号「行ってみたから伝えたい! 大阪関西 万博体験レポート」
     今年4月に開幕した「大阪・関西万博」は10月13日(祝)の閉幕まで残すところ約1カ月。今週は万博…
  4. リビング和歌山2025年9月6日号「和歌山のヒガシから新着情報 これが新しい橋本です」
    橋本市と聞いても、「あまり行ったことないわ~」との印象を持つ読者は多いかもしれませんね。実はそれっ…
  5. リビング和歌山2025年8月30日号「自然界の脅威に備えよう 人と自然の“キケンな遭遇” 出合ったらどうしよう!?」
     秋は川や山などへ出かける機会が増える季節です。もしも「クマ」や「スズメバチ」などの危険な生き物た…
リビングカルチャー倶楽部
夢いっぱい保育園

お知らせ

  1. 2025/9/25

    2025年9月27日号
  2. 2025/9/18

    2025年9月20日号
  3. 2025/9/11

    2025年9月13日号
  4. 2025/9/4

    2025年9月6日号
  5. 2025/8/28

    2025年8月30日号
一覧

アーカイブ一覧

ページ上部へ戻る