まちを盛り上げる、学生たちの「商品開発」
和歌山愛を召し上がれ

リビング和歌山4月23日号「まちを盛り上げる、学生たちの「商品開発」和歌山愛を召し上がれ」 その土地の風土や文化、産業を生かしたサービスや商品が多く見られる昨今ですが、これからの地域活性化を担うのは、若い世代! 和歌山愛にあふれる学生らが地域企業とコラボし、生み出した商品をピックアップ。学生だからと侮るなかれ。プロ顔負けの商品開発で、まちを盛り上げます。

和歌山大学観光学部×紀の川市×藤桃庵×近鉄百貨店和歌山店

左上から時計回りに、藤桃庵オーナー・籔本さん夫妻と近鉄百貨店・寺岡正博さん、和歌山大学観光学部准教授・竹田明弘さん、観光学部新4年次生・藤谷夏帆さん、西尾麻耶さん。出来上がったジェラートを手に、一同にっこり!

贈って広がる、紀の川市の魅力

今夏、近鉄百貨店限定のお中元ギフトとして、全店で取り扱いが開始する「藤桃庵の贅沢(ぜいたく)フルーツジェラートwith(ウイズ)和歌山大学観光学部」。

リビング新聞4月23日号_フレーバーが5種類ある商品

桃ジェラートと紅茶ソースを組み合わせた「桃×紅茶」をはじめ、「まりひめ×ショコラ」などフレーバーは全5種

このジェラートが誕生した背景には、「フルーツ大国・紀の川市を盛り上げたい」という、10人の和歌山大学の学生と、紀の川市のジェラート店「藤桃庵」、大きな拡販力を誇る「近鉄百貨店和歌山店」の熱い思いがありました。

和歌山大学観光学部は、和歌山県の各自治体と協力し、企業や住民たちと地域の活性化を目指す独自の活動「地域連携プログラム」を実施しています。同プログラムをきっかけに、学生たちと企業がタッグを組んだのは昨年4月のこと。「紀の川市産のフルーツの魅力を県外にもアピールしやすい、お中元ギフトを提案したんです」と近鉄百貨店・寺岡正博さん。

ですが、学生たちにとっては縁遠い存在のお中元。同プロジェクトに携わる観光学部新4年次生・藤谷夏帆さんは「百貨店の名に恥じない商品をと、プレッシャーもありました」と話します。

商品開発における学生たちの目標は、“売れる商品”を作ること。過去のお中元カタログの商品特徴や、アンケート調査から得た情報を統計的手法で分析し、ジェラートの色や味わい、バラエティー豊かなフレーバー、パッケージデザインに反映させました。主観や流行にとらわれることのない、学生たちの商品提案に「目からうろこの切り口でした」と、藤桃庵オーナー・籔本周也さんは舌を巻いたそう。

リビング新聞4月23日号_木になっている紀の川市の桃

大きさや形の問題で市場に出回らない規格外のフルーツを使用し、ジェラートに。食品ロス削減の観点からも地域に貢献

開発の末、完成したジェラートは、紀の川市産のフルーツのおいしさが引き立つよう、自家製ソースと組み合わせた2層構造。果物の濃厚な味わいが口いっぱいに広がる、高級感ある逸品となりました。

同商品は5月以降、5個入り(3240円)または10個入り(5400円)で販売。また、4月27日(水)~30日(土)には、近鉄百貨店和歌山店新店開店35周年記念として特別に単品販売(1個378円)を実施(左記参照)。和歌山愛をぜひ、この機会に味わって。

ここで買えるよ!

近鉄百貨店和歌山店 地下イベントスペース①
期間中は、学生たちも店頭に立つよ!

日時 4月27日(水)~30日(土)
午前10時~午後7時
※27日は休業日を利用した「特別ご招待会」のため 入場時、近鉄百貨店の各種カードの提示が必要
電話 073(433)1122
住所 和歌山市友田町5-18
ホームページ https://www.d-kintetsu.co.jp/store/wakayama/

 

食べて、広がる和歌山愛

神島高等学校経営科学科×田口食品×福梅本舗

リビング新聞4月23日号_神島高等学校経営科学科、田口食品、福梅本舗の皆さん

左上から時計回りに神島高等学校経営科学科・植野さくらさん、保富円那さん、岡㟢晴香さん、教諭・那須正樹さん、福梅本舗・岩本志穂さん、宮山光由希さん

高校生が南高梅で田辺を発信

田辺市のスーパーを中心に、地元で年間1万5000個を売り上げる人気商品「梅あられ」。昨年から紀州梅専門店「福梅本舗」(本社=白浜町)が取り扱いを開始。オンラインストアで全国に販路を広げています。

リビング新聞4月23日号_梅あられパッケージ

神島高校生が描かれたパッケージは、生徒がデザインを手掛けています

同商品は、田辺市の神島高等学校経営科学科のプロジェクトチーム「神島屋」の取り組みの一つで、地域活性化を目的に同市であられを製造・販売する「田口食品」と特産品・南高梅を使って開発した商品です。

リビング新聞4月23日号_梅あられ

梅あられは220円から販売(販売店により価格は異なる)

経営科学科ならではの地域貢献できる活動がしたいと考えていた同校教諭の那須正樹さん。「梅で商品を作って売ろうと生徒に呼びかけ、田口食品さんに相談したのが始まりです」と話します。

梅を使ったあられ製造は初めてだった田口食品工場長・新田卓也さんは「梅の爽やかな香りを損ねないよう、乾燥工程の温度や時間は何十回も調整を重ねました」と話します。味付けで使用する梅のフリーズドライは、一口目から後味まで梅のおいしさが残るよう大粒を採用。カリッとした食感とともに、梅の甘酸っぱさが口に広がる味わいに仕上がりました。

リビング新聞4月23日号_フリーズドライとあられ

梅あられに使用した、フリーズドライとあられ。試作を重ね、セレクトされています

長年、地元の人々に愛され人気商品となった梅あられ。もらい物で同商品を知った福梅本舗・宮山光由希さんは「東京都の自由が丘店やオンラインストアを展開する弊社が販売し、販路拡大によって田辺市活性化の力になれば」と販売をサポート。自由が丘店では、入荷待ちになるほどの人気です。全国に向け、地域をアピールしています。

企業や生産者から商品開発の依頼が舞い込む神島屋。その他にも、動画を活用した地域紹介やバスツアーの企画など多岐にわたり活動中です。卒業生の“神島DNA”を受け継ぐ生徒たちが、田辺市を盛り上げます。

ここで買えるよ!

産直市場よってってイオンモール和歌山店、狐島店、ほか田辺市のよってって、Aコープなど

福梅本舗オンラインショップ https://www.fukuume.com/

 

和歌山工業高等専門学校×和歌山ブルワリー×オークワ

リビング新聞4月23日号_AGARAクラフト三代目verと和歌山工業高等専門学校、和歌山ブルワリー、オークワの皆さん

左上から時計回りに和歌山ブルワリー代表取締役・吉田友之さん、和高専生物応用化学科准教授・楠部真崇さん、オークワ加工食品課・下前亮太さん、生物応用化学科・岸田悠佑さん、木脇蓮也さん

研究から生まれた、和歌山産ビール

酵母、大麦、ホップ、全てが和歌山県産のクラフトビール「AGARAクラフト」シリーズの「三代目Ver.(バージョン)」と「ミックスベリー」が、4月29日(祝)から大手チェーンストア「オークワ」の県内外店舗で発売されます。

リビング新聞4月23日号_ビールの醸造作業の様子

ビールの醸造作業にも、学生たちが取り組みます

同商品は和歌山市内でクラフトビールの製造・販売をする「和歌山ブルワリー」と和歌山工業高等専門学校のコラボによって誕生しました。和歌山ブルワリー代表取締役・吉田友之さんは、地域市場を盛り上げたいと、県産クラフトビールの製造を長年計画していましたが、「酵母だけはなかなか見つからなくて」と、悩んでいました。

そんな中、和高専が道成寺(日高町)の入相(いりあい)桜から酵母を抽出したという話を耳にした吉田さんは、生物応用化学科准教授・楠部真崇さんに学生とのビール作りをオファー。和高専は、酵母の提供に限らず、学生がビール醸造やビジネス展開を学べる場になると「インターンシップ協定」を今年3月に締結。「この機会を卒業研究に生かしたい」と、生物応用化学科新5年生岸田悠佑さん、木脇蓮也さんがプロジェクト参加に手を挙げました。

リビング新聞4月23日号_AGARAクラフトミックスベリーの商品パッケージ

ベリーの甘い香りが漂う「AGARAクラフトミックスベリー」(658円)。入相桜の酵母を使用

入相桜に加えてクマノザクラの酵母を使って製品化を目指す中、「研究で酵母を培養するのは100ミリリットル程度ですが、1回のビール製造に必要な酵母は100倍量の10リットル。実験器具では追い付かず、鍋などを使うことも考えました」と岸田さん。学校と製造所を往復しながら、自分たちの研究がものづくりの一端を担うことに喜びを感じたと言います。「醸造作業も今は手慣れたものですよ」と吉田さん。完成品は、活動に賛同するオークワが販売を手掛け、県の地産品としてアピールできるよう尽力します。

ここで買えるよ!

「AGARAクラフト 三代目Ver.」
メッサオークワガーデンパーク和歌山店、メッサオークワ高松店、スーパーセンターオークワ海南店、オークワ岩出西店など129店舗で取り扱い

「AGARAクラフト ミックスベリー」
メッサオークワガーデンパーク和歌山店、メッサオークワ高松店など28店舗で取り扱い

 

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