見積書を確認して予算オーバーを回避
予算内で理想の家を建てるには、堅実な資金計画が肝心です。シリーズ11回目には、「和歌山家づくりのお金相談センター」(橋本市紀見ヶ丘)の代表・柴垣和哉さんが登場。住まいづくりに関するお金の基礎知識を6回にわたって解説します。今回のテーマは、「注文住宅を建てるのに必要なお金」です。
注文住宅の建築費用は、大きく分けて、建築工事費と諸費用の2つ。「建築工事費には、建物を建てるための『本体工事費』と、『付帯工事費』があります」と、柴垣さんは説明します。
付帯工事費の主なものは、インフラ整備工事費や、外構・造園工事費など。カーテンや照明などのインテリア工事費が含まれることもあります。「注文住宅なら土地から購入することが多いので、古い家を解体したり、地盤を改良したりする費用が必要なときも」とも。
もう一つの費用、「諸費用」とは? 「家の登記費用や、住宅ローンの手数料・保証料など。他にも、ローンを借りる要件となる火災保険の加入金や、建築確認の申請料、引っ越し代や家具・家電代など、多岐にわたります」
諸費用の配分は、「家づくりの総費用の8~12%を見込んでおくといいでしょう」と、柴垣さんはアドバイス。例えば4000万円の家を購入するなら、諸費用は400万円前後になります。
依頼先を絞ったら、見積もりを依頼しましょう。「見積書には工事種別に金額が表記されています。何にいくらかかるのか、また見積書以外でかかる費用があるのか、必ず確認して」と、柴垣さんは注意を促します。「内訳があいまいで、詳細が分からないまま契約し、後に別途請求されて、予算をオーバーしてしまうケースもあります」
「住宅購入についてFPに相談するとき、見積書を持参して、その内訳をプロの視点で見てもらうのもおすすめです」と、柴垣さんは最後に話していました。

住宅ローンアドバイザーの肩書も持ち、住宅購入をきめ細かくサポートするFP(ファイナンシャル・プランナー)の柴垣さん
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