口から始まる健康づくりvol.92
マスクとスマホが 顎関節症を引き起こす!?
- 2025/11/27
- みんなの健康
- 歯医者さんに聞きました!(口から始まる健康づくり)
あごの音や痛み、こめかみの違和感
その症状、実は顎関節症かも

空気が冷たくなり、感染症対策やのどのケアのためにマスクをつける機会が増えるこの季節。実は、こうした生活習慣の変化が「顎関節症(がくかんせつしょう)」の増加と関係しているといわれています。最近では、「口が開けにくい」「あごがカクカク鳴る」「こめかみが痛む」といった症状で歯科医院を訪れる人も。
顎関節症とは、あごの関節や周囲の筋肉に負担がかかることで、不快な症状があらわれる状態を指します。従来は「歯ぎしり」や「噛(か)み合わせのずれ」などが主な原因とされてきましたが、近年では「マスクの長時間着用」や「スマートフォンの使用姿勢」といった、現代ならではの生活習慣が症状を悪化させる一因となっているのです。
マスクをしていると無意識に口呼吸になったり、顔の表情を動かす機会が減ったりすることで、あごやその周囲の筋肉に余計な緊張が生まれます。また、スマホを操作する際の前かがみの姿勢も要注意です。首が前に出る「スマホ首(ストレートネック)」の状態は、あごを支える筋肉に負担をかけ、知らず知らずのうちに症状が進行することがあります。
顎関節症の代表的な症状には、「口を開けるとカクッと音がする」「大きく開けづらい」「こめかみや耳の奥が痛む」などがあります。中には、慢性的な頭痛や肩こり、耳の詰まり感を訴える人も。一見関係なさそうに見えるこれらの不調も、実は顎の関節の不調が関係していることも少なくありません。
軽度の症状であれば、日常の習慣を少し見直してみましょう。マスクをしていても顔の筋肉をしっかり動かす、舌の位置を意識して鼻呼吸を心がける、スマホの画面は目線の高さに近づけて操作する、といった意識づけが有効です。また、日中に歯を食いしばっていないかを意識し、「上下の歯を軽く離す」ことを心がけるだけでも負担は大きく軽減されます。
症状が改善しない場合は、歯科医院での診察をおすすめします。就寝時の歯ぎしりを防ぐためのマウスピース(スプリント)や、噛み合わせの調整、生活習慣へのアドバイスなど、症状や原因に応じた対応が可能です。
顎関節症は、放っておくと慢性化し、生活の質に大きく影響を与えることもある疾患です。「ちょっと違和感があるけど、そのうち治るだろう」と放置せず、早めに対処することが大切です。
あごの疲れや痛みが気になるときは、放っておかずに信頼のできる歯科医院に相談してみてください。生活の中で無理なく取り入れられるケアと、専門的なサポートを組み合わせることで、顎関節症の予防と改善は十分に可能です。
(川崎豪彦)
| 店舗名 | かわさきデンタルクリニック |
|---|---|
| 電話番号 | 073-488-5489 |
| Webサイト | https://www.kawasakidentalclinic.com/ |
| 住所 | 〒640-8451 和歌山市中573-19-403 ふじと台ステーションビル エスタシオン EAST 4階 |
| 営業時間(診療時間) | 9:30~13:00、14:30~19:00 火曜日は9:30~15:00 金曜日・土曜日は18:00まで |
| 定休日(休診日) | 日曜・祝日 |
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