キッズのための食農教育 フード&アグリ

子どもの心と体の健康を保つために重要な「食育」に、“農”をプラスした「食農教育」。食べることを支えてくれている農業について、親子で楽しみながら考えてみませんか。若手農家グループ「旬ノーカ」の活動を通して、フード&アグリ(食と農)の大切さを伝えます。

食の背景にある農業に触れて
豊かな心と体を育む

健康的な体作りの基本は食べること。食を通して生きる力を育む「食育」は、家庭や保育の現場、地域全体でなじみ深くなってきました。食の多様化による栄養の偏り、生活環境・運動習慣の変化が原因の生活習慣病を予防するために、食について学ぶことは子どもたちにとって非常に重要なことだといわれています。そんな中、注目したいのが、食に農業をプラスしてパワーアップさせた「食農教育」です。

普段口にしている肉や魚、野菜や果物がいつでもスーパーなどで買える現代。昔に比べて、私たちの生活はどんどん便利で豊かになっていきますが、農家などの生産者と消費者の距離が遠くなってしまったように感じますよね。食べることの背景にある農業に触れることで、より食への関心や興味を深め、地球環境に思いをはせることもでき、豊かな心を育みます。幸い和歌山は農産物の宝庫。身近な場所でどんな物が作られているかを知ることが、自分の住んでいる町に誇りを持つことにもつながります。

下記では、海南市や和歌山市の5人の若手農家が集まったグループ「旬ノーカ」が行っている食農教育活動を取り上げます。また、この夏、親子一緒に参加できる農業体験も紹介。

見て、触って、食べて学ぶ

自然の中の発見や感動が
大人になっても心に残る

旬ノーカ代表でブルーベリー農家の中西康介さん(左)と、サツマイモ農家の小杉耕平さん(右)


和歌山県内の若手農家が集まり、2014年に立ち上げられた「旬ノーカ」。代表でブルーベリー農家の中西康介さん、サツマイモ農家の小杉耕平さん、養蜂家の西村洸介さん、米農家の尾野裕亮さん、桃農家の秦野英和さんの5人からなる生産者グループです。マルシェや直接販売などさまざまな活動を通じて、農産物と一緒に生産者としての思いを届けています。

その活動の一環として行っているのが、幼稚園や保育園での食育活動。現在、みどり幼稚園(和歌山市)で、「自然クラブ」という課外授業を年間30回行っています。それぞれが育てる農作物を中心に、毎時間多様なテーマが設けられており、年長クラスの約30人の園児が参加。農作業の体験だけでなく、紙芝居を使ったり、トラクターに乗せてみたりと工夫が凝らされた授業を展開しています。5月11日に開かれた、自然クラブの授業風景を取材しました。

今回の担当は中西さんと小杉さんで、サツマイモの苗の植え付けを実施。植えるときの葉の向きや、なぜビニールをかぶせるのか、ビニールに穴を開けるための専門の道具の使い方など、生産者ならではの細かなことまで指導します。園児たちは、土や苗、ときには虫に触れながら話に聞き入っていました。「自然の中に、たくさんの発見があることを知ってほしい」と小杉さんは話します。

みどり幼稚園園長
石黒悦子さん


みどり幼稚園の石黒悦子園長は、「食に対して興味を持つということは、誰にでも大切。自然クラブは選択制ですが、専門家による指導が楽しいととても人気のある授業です。土や水、光などの自然や生き物に触れることで、生命の大切さを学んでいきます。〝和歌山の味〞を知るきっかけにも」と話します。

収穫したての野菜を食べる授業では、「子どもたちが、取れたてのキャベツや大根など、何の調味料をつけなくても〝おいしい!〞と喜んで食べているのでびっくりしました」。野菜嫌いの子も、みんながおいしそうに食べているのを見て、一緒に食べてみるのだとか。

「小さい頃に感動したことは、大人になっても心に残っているものです」と中西さん。この授業で知識を吸収した子どもが、家族で買い物に出掛けたとき、野菜選びのアドバイスをするなど、家族間のコミュニケーションも生まれているそう。健康的な体と豊かな心を形成するには、実際に見たり、触れたり、食べたりしながら、自然の中の発見を楽しんで学ぶことが大切です。

とうもろこし親子収穫体験

JAわかやまの男性料理教室修了者が結成したサークル「やろう会」が植えつけた、3000本ものトウモロコシの収穫を体験!塩ゆでにしたトウモロコシをみんなでいただきます。

野菜がどのように育つのか。動いて、食べて楽しみながら学びましょう

日時 7月26日(水)予定
場所 JAわかやま本店近隣の畑(和歌山市栗栖)
対象 小学生以下の子どもと保護者
定員 20組(先着順)
参加費 500円(1組)
申し込み
問い合わせ
073(473)9402
JAわかやま農協営農生活部
上野さん、小島さん


農業との新しい関わり方として、今注目されているのが、インターネット上の「オーナー制度」。野菜や果物など、登録されている農場を選び、“自分の農場”を持つことができます。農家とコミュニケーションを取りながら、種まきから収穫まで、定期的にウェブ上で農作物の生長の経過を観察。実りの時期には、収穫された新鮮な農作物が自宅に届けられます。

さまざまな理由から実際に農業体験に出掛けるのが難しい人や、気軽に農業に関わりたい人に向けたサービスです。「旬ノーカ」も活動の一環として、ウェブ上で農場を持てる「FARMFES」に参加。現在、西村養蜂場のはちみつ、はたの農園の桃、中西農園のブルーベリーのオーナーになることができます。従来とは違う形で、生産者と消費者の距離が縮まる方法。興味がある人はぜひチェックを。

旬ノーカ https://www.syunnoka.com/
FARMFES https://www.farmfes.com/

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