肌の美しさの分かれ道に 紫外線対策で「NOT光老化」

リビング和歌山3月11日号「肌の美しさの分かれ道に 紫外線対策で「NOT光老化」

 春の陽気を感じる日が増えてきた3月。すでに紫外線量は10月並みです。無防備に日差しに当たっていませんか。紫外線ダメージによって肌に現れる「光老化」。紫外線対策の有無が、“美しさの分かれ道”となります。若々しい肌のために要チェックです!

形成外科・美容外科医 白川 裕二さん 和歌山県立医科大学美容医療診療担当 和歌山けいせい静脈瘤クリニック 形成外科専門医

形成外科・美容外科医
白川 裕二さん
和歌山県立医科大学美容医療診療担当
和歌山けいせい静脈瘤クリニック
形成外科専門医

美しい肌の大敵・紫外線
シミ・シワ・たるみの原因に

和歌山市の月別紫外線量

出典:気象庁ホームページ(https://www.jma.go.jp/jma/index.html)「日最大UVインデックス年間推移グラフ」2022年和歌山県(月平均値)

気象庁によると、3月の紫外線量はすでに中程度(図1参照)。日中は日陰の利用が推奨されています。「春は日焼けしないし大丈夫」と、紫外線対策を怠っているあなた。知らないうちに、肌の老化を進めているかもしれません。
皮膚にシミ・シワ・たるみなどが現れる老化は、加齢による「自然老化」と紫外線による「光老化」の2種類があります。和歌山県立医科大学美容外科講座診療担当形成外科・美容外科医の白川裕二さんは、「皮膚が伸びたり、腱鞘(けんしょう)が緩んだりと、誰もが必ず起こる自然老化に対して、光老化は紫外線に当たる時間・強さに比例してリスクが高まります」と話します。

さらに、「自然老化は皮膚が薄くなるのに対して、光老化は皮膚が厚くなります。見た目も大きく異なり、シワで例えると、自然老化によって現れるのは薄いちりめんジワ、光老化によるシワは手相のようなくっきり深いものです」と説明。厚くなった皮膚はたるみが目立ちやすくなるとも。

紫外線によるダメージ

【図2】

白川さんによると、地上に届く紫外線は、UVAとUVBの2種類。波長の短いUVBは、皮膚の浅い組織(表皮)を刺激し、比較的早い反応(=日焼け)が皮膚に現れます。一方、波長が長いUVAは、皮膚の深い組織(真皮)までダメージを与えるそう(図2参照)。
光老化の進行は、主にUVAによる刺激が原因。白川さんは「紫外線による刺激で皮膚の細胞が壊れ、補うために真皮にある線維細胞がコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸を分泌します。紫外線に当たり続けると過剰な分泌が続き、皮膚の代謝サイクル(ターンオーバー)が乱れることで、皮膚が厚くなります」と話します。

さらに、シミの原因“メラニン”は、紫外線の刺激から細胞を守るために体が作り出す色素。「通常はターンオーバーによって徐々に剥がれていきます。しかし、紫外線の慢性刺激によりメラニンが過剰に作り出されると、ターンオーバーが乱れた肌では色素を剥がしきれず表皮にシミが発生します」と、白川さん。

「シミ・シワ・たるみが皮膚に現れると、完全に戻すことはできません。美容医療(次項参照)で治療はできますが、時間と費用が必要です。季節を問わず紫外線対策をしましょう」ともアドバイス。次項では、白川さんに聞いた紫外線対策と美容医療による治療について紹介します。

美容のプロ 白川さんが教える

「光老化」の予防と治療

紫外線対策はここを押さえよ!

Q1.雨・くもりの日や室内でも紫外線対策は必要?

「日焼けしない=光老化しない」という考えは捨てましょう。老化を加速させる紫外線は、雨やくもり空、室内でも入ってきます。常に紫外線に当たっていると意識しましょう。肌質に合わない場合を除き、季節や室内外問わず日焼け止めを塗るのがおすすめです。

Q2.スキンケアで気をつけることは?

☑紫外線に当たらないと意識する
☑肌を極力こすらない
☑化粧水・クリームで保湿する

 気をつけたいのは、シンプルに3点。紫外線を避けるのは大前提です。また、肌をこすると、乾燥やシミの原因に。洗顔やマッサージは優しいタッチを心掛け、化粧品で水分・油分を補いましょう。肌を外部刺激から守るためには、保湿することが重要です。

Q2.光老化対策にぴったりな日焼け止めは?

 日焼け止め購入時、「SPF」数値の高いものを選びがちですが、光老化防止に大切なのは「PA」。PAはUVAを、SPFはUVBの防止効果を示し、+と数値が多いほど効果が高まります。今年はPAの+表記にも注目を! しかし、防止効果が高いほど刺激も強いため、紫外線量が少ない季節や室内で過ごす日は、刺激の少ないものを使うことをおすすめします。

光老化の美容医療事情

「シミが簡単に消える」は大間違い
保存治療を制するものがシミ治療を制する

 

シミ治療は、「光治療」「レーザー治療」が一般的に知られています。これらはメラニン色素に刺激を与え、破壊するという仕組み。物理的に刺激を与えるわけですから、肌は防御反応でメラニン色素を発生させます。よって、新たな色素沈着が発生するリスクがあります。

私がおすすめするのは、光・レーザー治療前に3カ月「保存治療」を行うことです。保存治療とは、紫外線対策や、トラネキサム酸やビタミンC・Eの内服、ハイドロキノンやトレチノインを含むシミクリームによる治療。この治療でシミが随分薄くなる人も多いです。

「化粧品であまり効果がなかったから」と決めつけず、医療品でトライを。保存治療で様子を見て、光・レーザー治療を取り入れていけば、結果的に時間と費用を抑えられることがありますよ。

自分にあった治療を選ぶ! まずは相談を

 肌のたるみには、「医療用ハイフ」というアプローチがあります。超音波で筋膜に熱を与え、引き締めます。その他、針を使って肌に傷をつける「ダーマペン」は、コラーゲンを物理的に作り、肌にハリを生み出します。美容医療は多種多様で、病院によって方針も異なります。カウンセリングの後、慎重に検討して治療を受けましょう。

美容医療の注意ポイント

形成外科・美容外科医 白川 裕二さん 和歌山県立医科大学美容医療診療担当 和歌山けいせい静脈瘤クリニック 形成外科専門医色素沈着の種類は見極めが肝心

「肝斑(かんぱん)」は、一般的なシミ(老人性色素斑や日光による色素斑)と同じ治療をすると、色素がさらに濃く出てしまいます。シミと決めつけず、医師に相談を。

美容医療は健康保険適用外

疾患やケガによる治療以外、形成外科施術は健康保険適用外です。美容目的で行う治療費用は、全額自己負担なので、注意しましょう。

トラブルを防ぐための行動を

美容医療を受け、トラブルが発生するケースが増えています。自分に必要な治療なのかどうか、副反応・リスクを理解して治療を受けましょう。

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