口から始まる健康づくりvol.22
「医療費の総額に影響する歯の数 将来を見つめた治療を」

「かむ力」は気力や体力の源
適切な治療が健康寿命を支える

あまり知られていませんが、口に残る歯の本数は、歯科以外の医療費にも大きく影響します。2007年に「北海道国民健康保険団体連合会」が発表した「歯の本数と医科診療費の関連」データを見ると、自分の歯が20本以上ある高齢者の医療・診療費は、1カ月間で平均2万2660円。残りの歯がゼロ~4本の人は、1カ月間で平均3万5930円。年間で約15万6000円もの差が出ます。

口腔(こうくう)内の状態が悪化すると、かむことと連動する腸の働きが鈍り、栄養の吸収率が低下。この悪循環は歯の残数が減るほど進んでしまい、栄養失調に陥る人もいます。

また、歯や口の状態が悪くなると心筋梗塞や脳梗塞、認知症、運動機能の低下などのリスクも上昇します。つまり口腔環境の悪化は結果的に、医療に関わる費用の額を膨らませるのです。

歯が少なくなると、食事の質が低くなることも問題です。おいしく食べるためには、18本の歯が必要だといわれます。特に高齢者の場合、自分の歯で食べられる人と、そうでない人とでは、体力や気力の充実度にも差が出てきます。

歯科治療の一番のテーマは「歯周病と虫歯を未然に防ぐ」こと。まずは歯磨きの徹底や生活習慣の見直し、禁煙などのセルフケアがおすすめです。 万が一、歯が抜け落ちた場合、代表的な治療法は3つ。

ひとつは「入れ歯」。保険適用内の入れ歯であれば、今回ご紹介する治療法のなかで最も安価です。適切な施術を受け、ケアを続ければ約5年間は使えます。ただ、食べかすが詰まりやすく、自分の歯で食べている感じも得にくくなります。見た目に恥ずかしさを感じたり、装着で自尊心が傷つく人もいます。

「ブリッジ」も治療法の一つ。歯が抜けた所に義歯を埋め、その両側の歯を支えにします。耐用年数は約10年。ただ、ブリッジは健康な歯を削るため、歯、本来の機能を傷付け、虫歯や歯周病のリスクも高まります。

「インプラント」は一本数十万と、3つのなかでは高額な治療です。ただ、自分の歯でかむ感触があり、食事の喜びも回復することから、生きる自信を取り戻す人もいます。インプラントの約98%で10年以上の耐用年数があるとされている他、他の歯にも負担をかけません。

かむ力は健康寿命の推進力。家計を助け、健やかな暮らしを支えます。歯に違和感が出たら、すぐに検査を受けましょう! 早ければ早いほど、歯を残せる可能性が高まり、治療の選択肢も増えます。(川崎豪彦)

店舗名かわさきデンタルクリニック
電話番号073-488-5489
Webサイトhttps://www.kawasakidentalclinic.com/
住所〒640-8451 和歌山市中573-19-403
ふじと台ステーションビル エスタシオン EAST 4階
営業時間(診療時間)9:30~13:00、14:30~19:00
火曜日は9:30~15:00
金曜日・土曜日は18:00まで
定休日(休診日)
日曜・祝日

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