“価格・立地・環境”を選ぶ幅が広がる
家購入の候補に中古住宅も入れて、マイホームの選択肢を広げませんか。シリーズ13回目は、地域密着型の不動産会社「和み ハウスドゥ城北通り」(和歌山市吉田)のエリアマネージャー・大谷聖奈さんに、和歌山市やその周辺の中古住宅事情について聞きました。
2025年4月に発表された「住宅購入・建築検討者」調査(24年・リクルート調べ)では、19年以降、「中古一戸建て」の検討率が上昇傾向にある、との結果が出ています。「和歌山市やその周辺のエリアに関しても同様です」と、話す大谷さん。その大きな理由に、新築より安価であることが挙げられます。
「ここ数年、新築の建築費が上昇し、住宅ローンの審査も厳しくなっています。『最初は新築を考えていたけれど、中古なら手が届きやすい価格で、立地や生活環境を選ぶ幅も広がる』と、中古購入を前向きに考える子育て世帯が、以前に比べて増えています」。自分好みにリノベーションするスタイルが定着し、中古住宅への抵抗感が薄れている時代背景も要因の一つ、とも大谷さんは推測しています。
定年後の暮らしに中古住宅を選ぶシニア層も。「夫婦または単身で暮らしやすい2LDKの家を現金で買う人もいます」。休暇用のセカンドハウスとして購入する、県外・国外在住者もいるそう。
中古物件のデメリットとして、「見えない瑕疵(かし)のリスクに注意を」と大谷さん。瑕疵とは建物の欠陥や不備を指す言葉です。「気になる場合は、ホームインスペクター(住宅診断士)に劣化状況を確認してもらい、不安を解消してから購入を判断するといいでしょう」とも。
自然災害の対策として、過去の災害履歴やハザードマップの確認など、立地条件の確認も重要。「建物に関しては、梁(はり)や柱、壁など構造の強化で改善できることもあります」とのこと。
「気に入った家があったら、必ず物件の見学を。仲介業者と一緒に、何度でも足を運び、納得の上で契約を交わしましょう」とのアドバイス。客視点で一緒に行動してくれる不動産会社を家探しのパートナーにすることも、中古住宅購入の秘けつです。
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