赤身のうまさを追求 新たな和牛生産技術の開発へ

和歌山県産飼料で差別化を図る

飼料の量を調整しながら育てています(中北畜産)

飼料の量を調整しながら育てています(中北畜産)


牛肉市場に変化の兆しが―。健康志向や嗜好(しこう)の変化などで、高級和牛の代表とされている脂の多い「霜降り肉」から、脂の少ない「赤身肉」へ人気がシフトしてきています。

県内でも、この変化をいち早くキャッチ。消費者のニーズに答えようと、県産の食品副産物から製造した飼料「エコフィード」を活用し、赤身のうまさを追求した和牛肉の生産を発案。今年8月、地元の企業や和牛飼育農家の協力を得て、和歌山県畜産試験場と近畿大学が共同で研究を開始しました。

結果が分かるのは来年末ごろ。研究の成果に、期待が高まります。

県内には、繁殖・肥育合わせ約60の和牛飼育農家があり、約2500頭の黒毛和種が育てられています。一般的に、肥育農家は繁殖農家から、約9カ月の子牛を買い、肥育します。しかし、国内農家の減少で子牛の価格が上昇。加えて、輸入に頼っている配合飼料の価格も為替などの国際情勢の影響で高騰。店頭での価格にも反映されてきます。

そこで、消費者に手頃な価格でおいしい和牛肉を届けようと、エコマネジメント(本社=和歌山市新留丁)が製造する県産のミカンジュースの搾りかすやウメの種などを加えた飼料に着目。県内3農家の黒毛和種12頭で、実証実験が進められています。

実験に協力している畜産農家の一つ、和歌山市金谷の中北畜産では4頭で実験。飼料の量を調整しながら、育てています。

3代目・中北郁久さんは、「県産飼料はコスト減にもなるし、牛もよく食べます。未知のことなので、どんな肉質になるか不安はありますが、やってみないと分からない。成功して他の農家にも広がっていけば」と話しています。

赤身のうまさを追求した和牛肉ブランドは、全国でもまだ多くはありません。

和歌山県畜産試験場の高田広達さんは「県内の人に食べてもらうのが一番の目的。安定供給ができるようになると、黒毛和種が手頃に食べられるようになります。さらに、名物の一つになれば、県外から和歌山に食べにきてもらうきっかけになり、観光振興にもつながります。結果を見ながら、効果的なブランディングで発信していきます」と意気込んでいます。

“地産地消”、私たちの食卓に並ぶ日はそう遠くはないはずです。

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