雑賀小4年1組と「森と水の源流館」事務局長の学びの交流 「水」と「人」でつながる総合学習

手紙やビデオレターで
絆を深めて、お互いを訪問

「水」がつなげたのは、好奇心あふれる児童たちと、学ぶ意欲を促す専門家の絆―。紀の川の水源地、奈良県川上村にある「森と水の源流館」の尾上忠大(ただお)事務局長が、和歌山市立雑賀小学校(同市西浜)に9月に来校。4年1組を対象に、出前授業「水ではじまる物語」を行いました(協力=森林環境保全促進和歌山市議会議員連盟)。

尾上さんと4年1組の交流は、暮らしにかかわる「水」について学ぶ社会科の授業から始まりました。川上村の飲料水が贈られ、児童たちは水の感想や質問を書いたお礼の手紙を尾上さんに郵送。それに対し、尾上さんは源流から下流への水の旅や川上村について解説したビデオレターを作成し、児童の質問に答えました。続けてオンライン授業も実施し、児童たちはグループワークを通して理解を深めるうち、「川上村を見てみたい」との思いが募り、同村の社会見学を企画。すると、「私も雑賀小を訪れたい」と尾上さんの来校が決まりました。

「やっと会えたね、尾上さん!」

尾上さんに質問をする児童たち。間伐材で作られた名札にも興味深々。出前授業の様子がユーチューブで配信中です(https://www.youtube.com/watch?v=ow-ghoqq0vg

それまでは映像でしか知らない尾上さんと4年1組が、出前授業で初対面。今まで学んだことを再認識し、「やっと会えたね!」と授業後に尾上さんに駆け寄り、質問攻めにする児童たち。「よく考えられた質問が多く、今までの私の話を熱心に聞いてくれていたことが分かりました。1学期に交流を重ね、こうして直接川上村の話を伝えられてうれしいです」と尾上さんは応えます。児童の一人、安藤愛莉(あいり)さんは「尾上さんは、水や自然が豊かな川上村を誰よりも愛していると思いました。私も川にごみを捨てず、水を大切にします」と笑顔で話しました。

音楽家の松谷文美さんと共に、水や食物のつながりを歌にした演奏も披露

川上村の社会見学。川の水の清らかさ、冷たさに歓声が上がりました

担任の赤松広志教諭は、「社会科で始まった学びを、児童の主体性がより発揮できる総合学習につなげています。今年度は休校もあり、座学中心になりがちでしたが、この交流を通して、人とのつながりを大事に、自ら疑問を持って解決する力を育めれば」と語ります。

出前授業の6日後に児童たちは川上村を訪ね、源流の美しさを五感で受け止めました。今後は、紀の川下流や海について学習する予定。4年1組の川の旅は、まだまだ続きます。

子育て・教育

関連キーワード

 

交通安全キャンペーン2024 贈呈式

交通安全キャンペーン2024 贈呈式

おすすめ記事

  1. リビング和歌山2025年10月11日号「勝手にリビングノーベル食文化賞」
     各分野で人類に対して多大な貢献をした人物に贈られる「ノーベル賞」。食欲の秋を迎えた今週は、食の道…
  2. リビング和歌山2025年10月4日号「伊太祈曽駅から四季の郷公園まで運行中 トゥクトゥクに乗ってお出かけ」
     ようやく暑さも和らぎ、出かけやすい季節になりました。伊太祈曽駅から四季の郷公園の間を“トゥクトゥ…
  3. リビング和歌山2025年9月27日号「“無理をしない”を合言葉に 仕事も家庭も全力投球」
     9月25日は「主婦休みの日」。家事や仕事に頑張る皆さんに“自分をねぎらってほしい”という思いから…
  4. リビング和歌山2025年9月20日号「あなたのアイドルを探せ!! 【推し活】アニマル総選挙!」
     ジャイアントパンダの帰国から3カ月。新たな“推し”を探すべく「アニマル総選挙!」を開催します。ア…
  5. リビング和歌山2025年9月13日号「行ってみたから伝えたい! 大阪関西 万博体験レポート」
     今年4月に開幕した「大阪・関西万博」は10月13日(祝)の閉幕まで残すところ約1カ月。今週は万博…
リビングカルチャー倶楽部
夢いっぱい保育園

お知らせ

  1. 2025/10/9

    2025年10月11日号
  2. 2025/10/2

    2025年10月4日号
  3. 2025/9/25

    2025年9月27日号
  4. 2025/9/18

    2025年9月20日号
  5. 2025/9/11

    2025年9月13日号
一覧

アーカイブ一覧

ページ上部へ戻る