おばけでんしゃ

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さりげなく関わりながら
クラスみんなで絵本を楽しむ

お化けプロデューサーだという人が、「怖がりなので、自分の作ったお化け屋敷は怖くないですが、他人の作ったお化け屋敷は怖いです」とテレビで話していました。

“なんや怖いのか”と思いつつ、「怖いけれど好き」というのは子どもたちと同じだなと。子どもたちはお化けが登場する絵本が大好きです。「こわい~」と言うくせに、うれしそうな顔をするのです。

「ロクロ首がいてる」「へ~っ、首は長いの?ほかにはどんなお化けがでてる?」「傘おばけ!」「目玉いっぱいのやつ」。

『おばけでんしゃ』(出版=童心社、文・内田驎太郎、絵・西村繁男)を読んだ日、保育所の5歳児クラスはいつも以上に盛り上がりました。テーマが人気の2トップ、「お化け」と「電車」なので当然ではありますが、実はそのクラスには全盲の男の子がいたのです。

絵本は絵が重要な要素を占めますが、とりわけ『おばけでんしゃ』は、どのページにもこまごまと描かれたお化けが愉快で、それを探して楽しむ作品です。選ぶ絵本を間違えたと、私は申し訳なく思いながら仲間が読むのを聞いていました。

ところが、「がたたんがたたん」と読み始めた途端に、隣に座った子が男の子の耳元で、「電車が出発したよ。お化けがいっぱい乗っているよ」とささやいたのです。その子だけではありません、前の子も、後ろの子も、読み進むたびに代わる代わる男の子に近づいて、何事かを伝えています。

男の子のそばに誰かがいるときには他の子は行きませんし、うるさくして読み聞かせの邪魔をすることもありません。男の子は相づちを打ったり、「次は?」と続きを催促したりしています。

みんなの関わり方と、一緒に絵本を楽しむ様子があまりにも自然で、男の子はまるで見えているかのようでした。事前に保育者が男の子の目のことを私たちに伝えなかったのは、この姿があるからでしょうか。

過剰にならず、過保護にせず…。子どもの世界はすばらしい。

名前なりきよ ようこ
プロフィル絵本編集者として勤務後、渡欧。帰国後フリーに。
保育所や小学校で読み聞かせを25年以上続けている。絵本creation(編集プロダクション)代表

子育て・教育

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