勧告で固定資産税が最大6倍に
“住の専門家”として、空き家対策に取り組む「和歌山県宅地建物取引業協会」。本シリーズでは、広報啓発委員長の藪雅仁さんと、「わが家を空き家にしないためにできること」を考えていきます。今回は、『空家等対策の推進に関する特別措置法』について触れます。
「同法は、2015年5月に全面施行され、管理不十分で放置することが不適切な空き家を『特定空家等』として、指導、勧告、撤去命令などの権限が自治体に与えられました」と藪さん。「特定空家等」とは、①倒壊など著しく保安上危険となる恐れのある状態②著しく衛生上有害となる恐れのある状態③著しく景観を損なっている状態④周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切な状態で、ガイドラインで定められています。国土交通省・総務省調査によると、19年度末の全国の累計措置実績は、助言・指導1万5586件、勧告922件、命令111件、行政代執行41件、略式代執行124件です。うち和歌山県は助言・指導98件、勧告27件、略式代執行1件。「全国の空き家数は約846万戸(18年住宅・土地統計調査)ですから、『特定空家等』に指定された空き家は約0.2%。まだまだ数としては少ないですが、年度ごとの措置実績件数は増えてきています。助言・指導を受け、応じずに勧告が出されると、固定資産税の住宅用地特例から除外され、固定資産税が更地の状態と同等の6倍になる可能性があるのでご注意を」と。
少子高齢化で、今後も空き家はどんどん増える傾向にあり、これからは空き家にしないための取り組みが求められる時代。「結局、空き家が“問題”になるのは、お金のことが大きく影響するから。取り壊すのにも費用が要り、売却しても二束三文、それ以前に相続問題が複雑化しているケースも…。お父さん、お母さん、自分が亡き後、わが家が“略式代執行”で撤去されたらどうです? また、息子さん、娘さん、骨肉の争いは嫌ですよね。そうならないようためには、親子で話し合うことが大切。困り事があれば宅建協会まで」
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問い合わせ | 宅建協会 |
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