kids

笑って、泣いて、遊んで。子育ては
子ども時代を二度生きること

〝子育ては損か?〞というタイトルが『AERA』(『子育ては損か? 読者2118人のメール』朝日新聞社発行)の表紙に踊った平成12年12月、私は国公立幼稚園園長会の仕事をしていました。

子どもたちに愛を注ぎ、教育熱心な先生方に混じって研究会や講演会に参加していたのですが、ある会議の席上にこの週刊誌を持参しました。「子育てを損得で!」。会長はタイトルを見るなり黙ってしまい他の園長先生も凍りつきました。

それから15年、今では「子育ては損だ」という声が普通に聞かれます。2歳の女の子がいる仕事仲間は、「どんなに忙しくても仕事のほうがマシ。自分の思う通りになる」と、いかにご主人が非協力的かを披露しながら愚痴ります。けれど、「産まなければよかった」とならないのは、大変だけれど子育てをおもしろがっているからでしょう。

自分のおなかから産まれた生き物が日々成長し、人間らしくなっていく姿を見ることはおもしろいものです。そして子どもを持つということは、子ども時代を二度生きることではないかと思います。子どもと一緒に、笑い、泣き、遊ぶのです。

中でも子どもと行く動物園の楽しみは格別で、行く前も帰ってからも3人で寝転がって『かばくん』(出版=福音館書店、岸田衿子/作・中谷千代子/絵)を読みました。

かばくんを主人公に、動物園の一日を描いただけのお話ですが文も絵も味わい深く、「もっかい(もう1回)」のリクエストで絵本がボロボロになりました。「どうぶつえんに あさがきた いちばん はやおき だーれ いちばん ねぼすけ だーれ」。幼い声が耳に残り、「子育ては得だ」と心から思います。

名前なりきよ ようこ
プロフィル絵本編集者として勤務後、渡欧。帰国後フリーに。
保育所や小学校で読み聞かせを25年以上続けている。絵本creation(編集プロダクション)代表

子育て・教育

関連キーワード

 

交通安全キャンペーン2024 結果発表

交通安全キャンペーン2024 結果発表

おすすめ記事

  1. リビング和歌山3月30日号「遊びを通した心の栄養士 おもちゃコンサルタント」
    おもちゃの広場では、全国のおもちゃ美術館に展示されている国内外のおもちゃが並びます 山本記代さん…
  2. 日時 3月20日(水・祝)→26日(火) 10:00~18:30※最終日のみ16:00まで …
  3. 現在、新しい観光発信のプロジェクトとして注目を集めている「メタバース和歌山」。今回はその詳細に迫り…
  4. リビング和歌山3月16日号「ブーム拡大で専門店も増加中!春のおでかけにおにぎりを持って」
     “おにぎり”が、今ちょっとしたブーム。和歌山市内に専門店が増えてきました。行楽の春、お出かけのお…
  5. リビング和歌山3月9日号「地震災害、起こる前に対策を! 」
     日本は、揺れの原因となるプレートがせめぎあう場所に位置し、世界の中でも地震の多い国です。今後30…

電子新聞 最新号

  1. リビング和歌山3月30日号「遊びを通した心の栄養士 おもちゃコンサルタント」

    2024/3/28

    リビング和歌山3月30日号

    リビング和歌山3月30日号  乳幼児の心身の発達には、遊びが不可欠です。だからこそ、おもちゃはしっか…
バックナンバー
リビングカルチャー倶楽部
夢いっぱい保育園

お知らせ

  1. 2024/3/28

    2024年3月30日号
  2. 2024/3/21

    2024年3月23日号
  3. 2024/3/14

    2024年3月16日号
  4. 2024/3/7

    2024年3月9日号
  5. 2024/2/29

    2024年3月2日号
一覧

アーカイブ一覧

ページ上部へ戻る