プロが解決! 不動産お悩み相談室⑫
田畑を相続したけれど
宅地に使えるの?

農地転用は農業委員会の許可が必要

 和歌山県宅地建物取引業協会の広報啓発委員長・末吉亜矢さんが答える「相談室」シリーズ。12回目は、「農地から宅地への用途変更」をテーマに解説します。

土地にはその使い方を示す「地目(ちもく)」があります。「農地」は耕作を目的とした土地、「宅地」は建物を建てるための土地です。「宅地以外の地目の土地に家を建てたい場合、地目を『宅地』に変更することが不動産登記法で定められています」と、末吉さんは説明。「つまり、農地を相続して自分の土地になっても、地目変更登記をしなければ家を建てられません」

「農地を農業以外の目的で使うなら、市町村に設置されている『農業委員会』の許可も必要です」とも。「農地保護の観点から、農地は宅地建物取引業法ではなく農地法によって、土地の売買や賃貸、ほかの地目への転用が制限されています」
さらに、農地が「市街化区域」「市街化調整区域」のどちらにあるかで、手続きも異なります。「前回(2月28日号)も説明しましたが、『市街化区域』は街に必要な機能を促進するエリア。そのため、この区域にある農地なら、農業委員会へ事前に届け出るだけで宅地にできることも」

一方、「市街化調整区域」は農地や山林の保護を目的とするエリアです。「市街化を抑制し、優良な農地を保護する区域なので、農地を宅地に転用するのは難しい面があります」と。「農業委員会や都道府県知事への許可申請など手続きもかなり複雑。不動産業者や行政書士、土地家屋調査士など専門家に調整役になってもらうことをすすめます」と末吉さん。「宅地に転用できても、上下水道などの生活インフラや接道の整備費用が必要になることも」とも。

宅地転用が厳しく、農地の維持管理も難しければ、売却や賃貸の検討も。「『田舎暮らしと農業を楽しみたい』と、農地を購入する移住者が増えています。近くの不動産業者に相談してみてください」と、話していました。

末吉亜矢さん

末吉亜矢さん


不動産に関する相談は宅建協会まで。

問い合わせ073(472)4600
(祝日除く月~金曜の午後1時~4時半)

暮らそら

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