今月1日、医薬品の販売制度に関する「医薬品医療機器等法(薬機法)」が改正され、市販薬(一般医薬品)のオーバードーズ(OD=過剰摂取)対策が強化されました。今号は、ODや薬との上手な付き合い方について、和歌山県立医科大学薬学部で話を聞きました。

正しい用法と用量を守って服用
若者を中心に社会問題となっている市販薬のOD。ストレスや孤独感などからくる「生きづらさ」が原因ともいわれています。近年、薬物治療を受けた10代の患者が使用した薬物で、市販薬の割合が年々増加傾向に。厚生労働省の研究班の2024年度調査によると、市販薬の乱用経験のある中学生の割合は全体の約1・8%で、55人に1人に上っています。
薬は病気の治療や健康を維持するためのもの。和歌山県立医科大学薬学部・太田茂学部長(写真)は「薬を服用する際は正しい用法・用量を守ることが必要です。使い方や用量を間違えると、本来の力を発揮せず、体に有害な影響を引き起こし、健康を損なうこともあるので注意が必要です」と説明します。
薬には、病院などで処方される医療用医薬品と、薬局やドラッグストアなどで購入できる市販薬(使用上注意が高い順に第1類〜第3類)があります。風邪や頭痛など「まずは市販薬で様子をみよう」というとき、市販薬は症状の緩和やセルフケアにはとても身近な存在。その一方、手軽に購入できるからこそ、適切な使用が求められています。
今回の改正薬機法では、従来に加え、新たな法規制を導入。風邪薬やせき止め、鎮痛鎮静剤、鼻炎薬など、乱用される恐れのある成分として新たに2成分を追加し、計8成分を含む医薬品が「指定乱用防止医薬品」に。18歳未満が購入する場合、小容量製品(5~7日分)1個に限る他、購入者の年齢確認などの情報提供が義務化されました。
「複数の店舗で購入しているのが分かったり、体調に不自然な様子が見られたりする場合、販売を控える判断も行われます。ODを防ぐには、家庭や周囲の人の気付きが重要です。習慣化する前に背景にある原因を見つけ、対応することが大切です」とも話します。
相談できる、かかりつけ薬剤師を身近に
薬との向き合い方や薬局の活用法について教えてもらいます。
――薬を安全に使うために大切なことは。
太田学部長 用法と用量を守ることです。市販薬であれば、薬箱の中に入っている添付文書の用法・用量や注意点を確認してください。
――症状が軽いときなど、自己判断で薬の量を調整しても大丈夫?
太田学部長 薬は適正な量を服用することで、体内で必要な濃度に達し、効果を発揮します。自身で量を減らしたり、途中でやめたりすると、病気が治らない原因になる他、薬が効かなくなる耐性菌の発生などにつながる可能性もあります。また、薬の種類が増えると、相互作用が起こる場合もあります。気になることがあれば、気軽に薬剤師に相談を。
――普段から薬局や薬剤師と、どのように関わるとよいですか。
太田学部長 薬剤師や登録販売者には、声掛けや情報提供を通じて、ゲートキーパーとしての役割も期待されています。かかりつけ医とともに、身近に相談できる「かかりつけ薬剤師」を持つことも大切です。何でも相談できる薬剤師を見つけて、薬と上手に付き合ってください。
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