素材の特徴や工法で変わる断熱性能
住宅建材の特徴を学んで、住み心地もコスパも良いマイホームを。プロに聞く建材シリーズ6回目は、「断熱材」について。設計事務所「カキイロアーキ」(岩出市新田広芝)の1級建築士・長岡篤彦さんが解説します。
夏は涼しく、冬は暖かい家づくりには欠かせない「断熱材」。天井や屋根、壁、床などの構造部分に取り付け、外気の暑さや寒さを室内に伝えにくくし、快適な室内の空気を外に逃さないようにします。
断熱材の種類には、ガラスや鉱物など無機素材を使った「繊維系」や、合成樹脂に微細な気泡を発生させて成形する「発泡系」があります。「住宅建築で広く採用されているのが繊維系の『グラスウール』です。断熱材の中で比較的低価格で、施工しやすいのが特徴。繊維をより細くして断熱性能を高めた商品もあります」と、長岡さん。「発泡系なら、スプレーで吹き付ける『ウレタンフォーム』が隙間のない施工を可能に。屋根や壁はコスパの良いグラスウール、床は湿気に強い発泡系など、断熱材の特徴や性能によって使い分けるのもいいですね」とアドバイスします。「ほかにも、羊毛や木材、古紙などを利用した『リサイクル素材』もあり、シックハウスに敏感な人におすすめです」とも話します。
施工方法には、天井裏や壁内、床下など軸組みの間に断熱材を詰める「充填(じゅうてん)断熱工法」と、壁の外側から断熱材で覆う「外張り断熱工法」があります。「2つの工法を組み合わせた『付加断熱工法』なら、より高い断熱性能を得られます」と、長岡さん。また「施工会社によって、得意不得意な断熱材や工法があるため、家づくりを依頼するときは確認を」とのこと。
断熱環境が整った家は、暮らす人の健康状態にも良い影響をもたらします。「冬の室温が18度を下回ると血圧や睡眠の質に悪影響を及ぼす可能性がある、と世界保健機関(WHО)が勧告しています」と長岡さん。「高断熱高気密の家にしておけば、室温を一定に保ちやすく、暖房を消しても温度の下がり具合が緩やか。省エネにもつながりますよ」と最後に話していました。

天井に施工された断熱材(イメージ)
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