治療の最前線! 専門医に聞くvol.37
歩くと足が重いは病気のサイン
足の血流が不足する“足梗塞”
- 2026/7/23
- みんなの健康
- 治療の最前線! 専門医に聞く
最近は〝足梗塞〟とも呼ばれる「下肢閉塞(へいそく)性動脈硬化症」。心筋梗塞が心臓の血管で起こるように、足の血管が動脈硬化によって狭くなり、血流が不足する病気です。日本の高齢者では、約10人に1人に下肢閉塞性動脈硬化症が隠れていると報告されています。診断には「ABI検査(足関節上腕血圧比)」を行い、健診で受けられる場合もあります。高血圧、脂質異常症、糖尿病、腎不全、喫煙、60歳以上であることなどが発症しやすくなる要因です。
筋肉は歩行時に多くの血液を必要としますが、動脈が狭くなると血流が不足し、足が重くなったり、だるさが出たりする「間歇性跛行(かんけつせいはこう)」が起こります。休むと治まりますが、歩くと再び症状が出るのが特徴。悪化すると歩ける距離が短くなり安静時にも痛みが続き、足の傷が治らず壊死(えし)に至り、足梗塞となります。
この病気は足だけの問題ではありません。足の血管は〝全身の血管の状態を映す窓〟ともいわれています。足の動脈に異常がある人は心臓や脳の血管も動脈硬化が進んでおり、心筋梗塞や脳梗塞で亡くなる人が多いことが分かっています。
治療は禁煙、内服、運動、カテーテルやバイパス手術。抗血小板薬を飲み、高血圧、脂質異常症を治療することで、足だけでなく心筋梗塞や脳梗塞を予防します。歩行を中心とした運動療法で血流を改善し、歩ける距離の延長が期待できます。
足のだるさや痛みをきっかけに、自身で間歇性跛行に気付くこともあります。気になる症状があれば、専門医に相談を。
(済生会和歌山病院 血管外科・國本秀樹)

國本秀樹医師
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