第7回 阿田木祭り 〜八ツ八と飾り花〜

日高地方で唯一残る春祭り

両手を広げたり、耳や腰にはしを当てたりして舞います

「古い形式の祭りが、地域でずっと受け継がれています」と話す今枝さん

祭りの最後、花吹雪のように色紙が舞い散ります

日高川の上流、旧美山村(現日高川町)にある上阿田木神社。新宮から熊野権現を迎えたといわれる神社で、今年で創建1082年になります。 この地域は昭和半ばごろまで林業が盛んで、一帯がスギやヒノキで覆われていました。境内では、いく抱えもある樹齢400年以上のスギの古木を見ることができます。

日高地方で唯一残る春祭りが同神社で行われる「上阿田木神社の春祭り」。約7㍍あるのぼりの先端に、5色の紙で作った飾り花と、細かく切った色紙を入れたかごが付けられます。そののぼりで勢いよく地面を突くことで、色紙が花吹雪のように舞い散ることから、「花祭り」とも呼ばれています。

阿田木祭保存会・会長の今枝(いまし)善生さんは「子ども神楽の″八ツ八(ヤツハチ)”と″獅子舞”、渡御のときに山道を清める″塩打ち”など、平安時代の古い形式が残っています。また、それぞれの役割も、決められた家の男性が代々行うという習わしが今も守られています」と説明します。

祭り当日、境内には神社と氏子地区ののぼりを準備。地区の代表が力を振り絞り、空に向かって弧を描きながらのぼりを立てると、見学客から拍手が沸き起こります。

一方、神楽殿には神が宿るものとして、5色の扇子などを吊るした三角形の御幣(ごへい)を設置。その前で子ども神楽が奉納されます。お囃子(はやし)に合わせ、箸(はし)を持ちながら舞ったり(八ツ八)、獅子役の稚児が赤い布を頭から垂らし、頭や着物の袖を振りながら前後に動いたり(獅子舞)、ゆったりとした時間が流れていきます。

今枝さんは「他にも拝食の儀式があり、お酒、ご飯、大根の漬物、それに″坊主汁”という、だしも具も入っていない、みそ汁をみんなでいただきます」と話します。

その後、近くの天神社への渡御が始まります。行列は、大蛇が出たと言い伝えのある″蛇杉(じゃすぎ)”と呼ばれる木のそばを通る時、笛・太鼓を止め、静かに進みます。

今枝さんは「人口は減っていますが、互いに協力しながら行っています。同じころ″ふじまつり”も開かれ、一年の中でとてもにぎわう時期です」と目を細めています。

次回6月予定(続く)。

 

【祭り情報】

場所 上阿田木神社(日高川町初湯川)
4月28日(土) 宵宮
4月29日(祝) 本宮
2時から渡御
4時半ごろから、のぼりの散り落とし
  ※両日午後1時から神事・神楽。

 

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