痛くない、衣服を着たままできる
MRIを活用した乳がん検診がスタート
20代や30代の若い世代にも選択肢の一つに

 和歌山画像診断センター(和歌山市紀三井寺)が、今年9月、県内で初めてMRI(磁気共鳴画像装置)を用いた「無痛MRI乳がん検診(ドゥイブス・サーチ)」を開始しました。全国の医療機関で徐々に導入されつつある新たな乳がん検診。同センターで話を聞きました。

専用のベッドで15分間うつ伏せになるだけ

 日本人女性の9人に1人がかかるという乳がん。他のがんと比べ、若い世代でも発症しやすいのが特徴で、20代から上昇し始め、30代前半からは急増しています(下記グラフ参照)。国民生活基礎調査によると、和歌山県の乳がん検診受診率は39・5%(2022年40~69歳女性)。40歳以上の人は2年に一度、無料のマンモグラフィー検診が受けられるものの、約60%の人が受診していない状況。早期発見・治療のためには定期的な乳がん検診が大事です。

年齢階級別罹(り)患数 【乳房(女性)2020年】

年齢階級別罹(り)患数
【乳房(女性)2020年】

現在の乳がん検診は、公的補助のあるマンモグラフィー(乳房エックス線撮影)やエコー(超音波)を使った検査が主で、初期症状の発見に有効とされています。一方、無痛MRI乳がん検診は、公的補助の対象ではないので自費となりますが、乳房の圧迫による痛みがなく、服を着たままできるのが特徴の一つです。

検査は既存のMRIを用いて撮影し、がんの有無や広がりを確認します。受診者は検査着に着替え、専用のベッドで約15分間うつ伏せになるだけ。昭陽会(和歌山画像診断センターなど)の理事で医師の綿貫樹里さん(右下写真)は、「日本人女性は乳腺密度が高い“高濃度乳房”の人が多くいます。そのため、乳腺に隠れている病変が見つかりにくいケースがありますが、無痛MRI乳がん検診ではそういった病変も確認することが可能です」と説明します。

検診は豊胸後や乳がん手術後の人などは受けられますが、磁場を使うため、心臓ペースメーカーや除細動器を使用している人は受けることができません。撮影した画像データは、同検診法を開発した「ドゥイブス・サーチ」(東京都)に送られ、専門の医師が解析を行います。結果は検査から10日程度。

同センターで9月から始まった検診は、通常の診察があるため、現時点では週2件程度のペースで実施。費用が2万5000円と高額ながらも30代を中心に予約が入っているとも。綿貫さんは、「乳がん検診の選択肢を広げることで、より早期に発見し、治療につなげたいと考えます」と思いを伝えます。その上で「早期発見には若いうちから検診に関心を持つことが大切。血縁者に乳がん罹(り)患者がいる20代・30代、“気になるけれど、検査を受けるのはちょっと…”といった人たちの一助になればうれしいです」と話しています。

専用のベッドにうつ伏せになり、約15分。「検査中は大きな機械音がします。放射線を使わないので被ばくの心配がありません」と話すスタッフ


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