“今”を快適に、“将来”に安心を
子どもから高齢者まで、家族みんなが安全で暮らしやすい住まい。シリーズ5回目は、「バリアフリー住宅」がテーマです。70年以上にわたり、注文住宅や改装物件を手掛けてきた「蔭山組」(和歌山市中島)の代表取締役社長・山﨑真司さんは、「今の家族には“快適”を、将来の家族には“安心”を贈る、住人への思いやりが詰まった住まいです」と、バリアフリーの家を表現します。
バリアフリー性能を備えた新築を建てるなら、「後から変えづらい部分に目を向けた家づくりを」と山﨑さん。「例えば、動線や間取りは、段差が少ない1階完結型を提案します」と続けます。「理想は平屋ですが、2階建てでも1階だけで生活できる間取りに。廊下をなくし、リビングから各室へ動線を直結すれば移動が楽です」
車いすの生活を想定して、間取りに余白を入れることも勧めます。「廊下の幅を85センチ以上とゆとりを持たせて、トイレは畳2枚分のスペースを確保しておきましょう」。現状の余裕のある空間には収納棚を備え付けるなどして活用し、車いすを使うときがきたら取り外します。また、建築時に家の壁内に補強材を入れておくと、手すりを容易に設置できます。「どちらも、リフォーム費用を節約できる施工例ですね」と山﨑さん。
家庭内事故死の原因に挙げられるヒートショックの対策も万全に。「家の高断熱化をベースに、冬場はリビングと脱衣所の温度差を3度以内に抑える設計を。光熱費の削減にもつながります」
リフォーム時の注意点は? 「今の生活の不満を解消しつつ、住人の“健康寿命”と家の“物理的寿命”を一致させて」と、山﨑さん。寝室・トイレ・浴室をつなぐ動線を最優先に“点から線へ”移動をフラット化、引き戸やドアノブのレバーハンドルなど扱いやすい建具に交換、夜間の転倒を防ぐ足元灯の設置などで、日常の危険を摘み取ります。「内窓や二重サッシを導入するだけでも、断熱性が高まります」とも。
補助金制度や減税などバリアフリー特有の公的支援もあります。「上手に活用して、賢い資金計画を」と、山﨑さんは最後に話していました。

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