考えよう 災害時の備え 被災地での体験、経験を生かして⑨

日本防災士会和歌山県支部長 早稲田 眞廣さん

「物」「建物」「知識」の備えを怠らずに

あなたの防災知識、古くないですか?

〈プロフィル〉元高校教諭、阪神・淡路大震災で同僚の義母が犠牲になり、防災への関心が高まる

防災に関する知識や技能を持つ「防災士」は、日本防災士機構が認証する資格で13万6597人が登録、うち約8500人が日本防災士会に入会しています。その和歌山県支部長の早稲田眞廣さんは、オートバイの機動力を生かして災害時の情報収集、伝達、物資の運搬といった活動を行う「和歌山レスキューサポートバイクネットワーク」の理事長も務めています。災害が起これば被災地に駆けつけ、日ごろは、研修会や講演会で「減災の重要性」を訴えています。

「〝防災〞は災害を防ぐと書きますが、地球は想像を絶する動きをしていて、いつどんな災害が起きてもおかしくありません。恐らく防ぎ切ることは不可能ですが、被害を減らすことはできます。そのためには〝備え〞が大事。〝備え〞には、『物』『建物』『知識』それぞれに備えておくべきことがあります」と言います。

(上)岩手県大槌町の床上浸水被害に遭った家屋で、被災者とボランティアが協働して復旧
(下)石巻赤十字病院の依頼で避難所に医薬品や栄養剤、各種データをバイクで搬送

水や保存食、常備薬といった「物」は消費しながら備蓄する「ローリングストック法」で、靴、笛、懐中電灯といった避難グッズは枕元に準備を。「建物」は家屋の耐震だけでなく、家具の固定と配置を考えて。避難経路や避難のタイミング(避難準備・勧告・指示、特別警報)、避難時にすること(通電火災防止のため、ガスの元栓を締める、電気のブレーカーを落とす)など「知識」は、家族で共有しましょう。

「かつては、『まず火の始末』でしたが、感震装置付きの機器が増え、今は『まず身の安全確保』です。〝防災の常識〞は変わってきています。土砂災害の兆候など正しい知識を持って備えてください」と早稲田さん。

「物」と「建物」については、自分の意識でそろえたり、耐震診断を受けたりできます。知識については、「研修会など気軽に相談ください」と。

問い合わせ 早稲田さん
電話 090(8822)3743
 

早稲田眞廣さんが伝えたい災害時の備え

  • 自助→「物」「建物」「知識」の備え
  • 共助→隣近所とのより良い関係、地域の訓練に参加
  • 協働→同じ目的を持ち、力を合わせて共に行動を

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